数字を理解するとは?
「数字が読める=数字を理解している」と思っていませんか?
実は、子どもが数字を「本当に理解している」状態とは、単に数字の名前を覚えていることではありません。
数字の並びに意味を見出したり、「2つ」と「3つ」の違いを実感できたりするように、数字の理解にはいくつかの認知的なステップがあります。
ここでは、数字理解の本質と、どのような力が育っていくことで“数がわかる”状態になるのかをわかりやすく解説します。
数字をただ読むだけでは「理解」とは言えない
「1、2、3……」と数字を順番に唱えられるようになると、数字を理解しているように感じがちです。
しかし、これは「暗唱できている状態」であり、数字の意味や概念までは理解していないことがほとんどです。
本当の理解とは、「3は2より1つ多い」「5は手の指の数と同じ」など、数字が表す数量や関係性を具体的に結びつけて考えられることを指します。
つまり、「読めること」と「わかっていること」には、大きな違いがあるのです。
数の概念は「順番」「量」「記号」の3つからなる
数の理解は、「1・2・3……」という記号を覚えるだけでは不十分です。
子どもが数字を本当に理解するためには、次の3つの視点がそろって育つ必要があります。
・順番(順序数):「3番目」「最後から2番目」など、並びや位置の感覚
・量(集合数):「5個ある」「1つだけ」など、数の大きさや量を表す感覚
・記号(数字):「3」「5」など、数を表す文字・記号としての理解
これらは一気に身につくのではなく、遊びや生活の中で少しずつ育っていくものです。
それぞれの要素がバランスよく発達することで、「数を使って考える力」へとつながります。
数の理解は複数の認知的な力が関わっている
数の理解には、記憶力・言語力・視覚的認知・論理的思考など、さまざまな認知能力の発達が土台となっています。
たとえば、「3個のリンゴを見て3と答える」には、以下のような力が必要です。
・視覚的に「3つ」を認識する力
・それを「3」と表現する言葉の理解
・数と物の量を一致させる論理的なつながり
このように、数の理解は単独のスキルではなく、複数の力の組み合わせによって成立する複雑な認知活動です。
そのため、遊びや声かけの中で段階的に理解力を育てていくことが大切です。
数字の理解は段階を追って身につけていくものなんですね♪

何歳から数字を理解できる?

子どもが「数字を理解する」のは、いつ頃からなのでしょうか。
「数えられる=理解している」と思いがちですが、実際にはその前段階として数字の音に反応したり、数の違いに気づいたりする発達のプロセスがあります。
数字の理解は一朝一夕で身につくものではなく、年齢とともに段階的に深まっていきます。
ここでは、1歳〜6歳頃までの年齢ごとの数字理解の目安を紹介します。お子さまの発達に合った関わり方のヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
【1〜2歳】数字に反応し始める・数の違いに気づく
この時期の子どもは、まだ数字の意味を理解しているわけではありませんが、「いち、に、さん」といった数字のリズムや音に反応するようになります。
例えば、大人が数を読み上げると真似をして声に出す、というような行動が見られることもあります。
また、目の前にある「1個」と「3個」の違いに気づいたり、「もっとちょうだい」と要求することで数の差を感覚的に理解し始めることもあります。
これは「数の感覚(ナンバ―センス)」の芽生えであり、数字理解の土台となる大切なステップです。
【3歳頃~】「数字を数える」行動が見られる
3歳前後になると、子どもは「1から10まで」など、数字を順番に唱えることができるようになります。
これは「数唱(すうしょう)」と呼ばれる発達段階で、数字の音や並びを覚え始めた証拠です。
ただし、この時点では「数を数える=数の意味を理解している」わけではなく、まだ暗唱の段階にとどまることが多いです。
それでも、身近なおもちゃや食べ物を指差しながら数える遊びを通じて、数量との結びつきが少しずつ育っていきます。
【4〜5歳】「数字と数量の関係」がわかり始める
この時期になると、数字と実際の「量」を結びつけて考えられるようになります。
たとえば、「3ってこのくらいの数」と、具体物を使って数字の意味を理解するようになるのです。
また、「どっちが多い?」「あといくつで5になる?」といった問いかけにも答えられるようになり、数の大小・差・構成といった初歩的な数理的思考も芽生え始めます。
遊びの中でのやりとりや、生活の中での体験が理解を後押しします。
【6歳頃~】「数のルール」や「加減の基礎」が育ってくる
6歳頃になると、足し算や引き算の考え方が徐々に身につき始めます。
この段階では「1つ増えるとどうなるか」「2つ減らしたらどうなるか」といった加減の基礎的なルールを、体験を通じて理解する力が育ってきます。
さらに「順序数(○番目)」や「集合数(○個)」の区別も明確になり、数を使って説明したり論理的に考えたりすることができるようになります。
小学校の算数につながる基礎力がここで固まり始めるため、日常生活での実体験を通じた関わりが非常に大切な時期です。
子どもの数字の理解を促す声かけと遊び方
数字を理解する力は、日々の関わりや声かけ、遊びの中で自然と育まれていきます。
特別な教材を使わなくても、日常のちょっとした工夫で子どもは「数っておもしろい!」と感じるようになります。
ここでは、1〜6歳の発達段階に合わせて取り入れやすい「声かけのコツ」や「遊びのアイデア」を紹介します。
無理なく数字に親しみ、親子で楽しみながら関わることで子どもの数的センスをぐんと伸ばすことができます。
数字に親しむ言葉かけは「問いかけ」がカギ
子どもが数字に興味を持つきっかけは、日常の中にあります。そこで効果的なのが、数字に関連する問いかけです。
たとえば、「いくつあるかな?」「どっちが多いと思う?」など、答えを強制せずに、子ども自身が考えるよう促す声かけが効果的です。
「1、2、3……」と数えるだけではなく、「あと1つで5個になるね」など、具体的な状況と結びつけた言葉を使うことで、数と現実のつながりを実感しやすくなります。
数への好奇心を引き出すコミュニケーションが自然な学びへとつながります。
料理や買い物など「生活の中の数字」に気づかせる
日常生活は、数字にふれる絶好のチャンスです。
たとえば料理の場面では、「卵を3つ取って」「スプーンを2本出して」といった形で自然に数を取り入れることができます。
買い物の場面でも「みかんを2つ買おうね」「お金はいくらかな?」など、実生活に即した数字体験を重ねることが大切です。
生活の中での数字は、単なる抽象的な記号ではなく、数が役に立つことを実感させてくれます。
遊び感覚で親子の会話に取り入れていくことで、数の概念がより身近なものになります。
お風呂やおでかけでも「数あそび」を取り入れる
特別な時間を使わなくても、お風呂やお出かけの場面で数字にふれることは十分に可能です。
たとえばお風呂では「10まで数えてから出ようね」、お出かけ中は「赤い車は何台あるかな?」など、ちょっとした声かけで自然と数字に触れることができます。
こうした場面は子どもにとってもリラックスできる時間なので、無理なく数字に興味を持たせることができます。
楽しみながら数える習慣がつくと数に対する抵抗感がなくなり、学びの土台づくりにもつながります。
ブロックやカードなどのおもちゃを活用する
ブロックや数字カードといった知育玩具は、遊びの中で自然に数の感覚を育むのに最適です。
たとえば、「このブロックを3つ積んでみよう」「同じ数だけ並べてみよう」といった声かけを通じて、数量や対応の概念を楽しく体験できます。
カードやボードゲームなどを使えば、「順番」「数合わせ」「足し引き」など、より複雑な数の操作も遊びながら学べます。
子どもの発達段階に合ったおもちゃを選び、無理なく数の世界へ導いていきましょう。
日常の中で数字を意識してお子さんに語り掛けていくようにするとGood!

子供に数字を教えるときの注意点
子どもに数字を教えるとき、大人が良かれと思って取る関わりが時に子どもにとって負担になることもあります。
数の理解には個人差があり、焦って教え込もうとすると数字に対して苦手意識を持ってしまうことも少なくありません。
ここでは、数字の学びを楽しく続けるために気をつけたいポイントを解説します。
子ども自身のペースを尊重しながら、無理なく学びを深めていくためのヒントとしてお役立てください。
他の子と比べず子どもの発達段階を尊重する
数字の理解は、言葉や運動能力と同じく子どもによって発達のタイミングが異なります。
つい「同じ年の子はもう10まで数えてるのに」と比べたくなることもありますが、焦りは逆効果です。比較されることで、子どもが自信を失ったり数字に対して苦手意識を持ってしまうこともあります。
大切なのは、今のお子さまが何に興味を持っているかを観察し、そのペースに合わせて関わることです。発達段階に合った声かけや遊びを通して、子どもの「できた!」という気持ちを育てていきましょう。
「できること」より「楽しめること」に注目する
数字を学ぶうえで、「何ができるか」ばかりに目を向けると、子どもにとって数字が「評価されるもの」になってしまいます。
それよりも、「数字って面白い」「もっと知りたい」と思えるような楽しい体験を重ねることが、長期的な学びの土台になります。
たとえば、ブロックを積みながら数えたり、買い物ごっこで数字を使ったりするなど、生活や遊びに自然と数字が登場するシーンを大切にしてください。
「楽しい」「わかってきた」という気持ちは、次の学びへの意欲を引き出す大きな力になります。
まとめ
数字にふれることは、子どもにとって「できる・できない」を測るものではなく、世界を知る楽しい入り口でもあります。
大切なのは、結果を急がず、日々のなかで自然と「数っておもしろい」と感じられるような関わりを重ねることです。
子どもが数字と出会う瞬間は、家庭の中にいくつもあります。その一つひとつが、小さな学びの種になります。
「もっと我が子に合った関わり方を知りたい」「家庭だけでは不安」と感じた方には、幼児教室ベビーパークの体験教室にお越しください。
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