英語耳は何歳までに育つ?
英語耳が最も育ちやすいのは一般的に「0歳〜9歳ごろ」とされています。
しかし「英語耳を育てたいなら早いほどいい」と言われることもあれば、「何歳からでも大丈夫」と聞くこともあり、情報がさまざまで迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実際には、子どもの発達段階や英語との関わり方によって効果的なタイミングや方法は変わってきます。
ここでは、英語耳の仕組みや年齢ごとの発達をふまえて、どのような時期に何をするのが大切かをわかりやすく解説します。
英語耳とは?
英語耳とは英語の音やリズムを自然に聞き分けられる力のことです。
英語には、日本語にはない音や周波数の違いがあるため、それらをスムーズに聞き取るには英語の音を聞き取る能力が必要です。
この力が育ってくると、頭の中で訳さず英語を聞いたまま意味を理解できるようになり、英語を「日本語に変換しなくても分かる言語」として受け入れられるようになります。
英語の音に対して感覚的に反応できるようになるので、英会話やリスニングの基礎力がぐっと上がります。
英語耳は、生まれつきの能力ではなく、日々の関わりの中で少しずつ育っていくものです。無理に訓練する必要はなく、楽しく自然に英語の音と出会える環境を作ってあげることが大切です。
英語耳に育つ年齢
先述した通り、一般的には英語耳が最も育ちやすいのは「0歳〜9歳ごろ」とされています。
特に3歳ごろまでは、世界中の言葉の音を区別できるほど耳の感度が高く、英語の発音や音の違いにも柔軟に対応できます。
この時期に英語に触れていると、音の聞き取りに対して抵抗が少なく、感覚的に覚えることができるのです。
9歳をすぎるとそれまでに聞いたことがない音を脳が「関係のない音」として処理してしまうため、聞き取りにくい英語の音が出てきてしまうのです。
もちろん、この年齢を過ぎたら英語耳が育たない、というわけではありません。
音への感受性が高い時期をうまく活用できると、よりスムーズに英語が身につくという意味で幼児期の関わり方が注目されているのです。
言語習得が最も伸びる「臨界期」に英語耳を身につける重要性
言葉を覚える力が特に伸びやすい「臨界期」は2歳から9歳ごろまでで、この時期は脳が言語の音を柔軟に受け入れ、音や言語の感覚を育てやすいとされています。
この期間に英語の音にたくさん触れることで、耳がその音に慣れ、音の高低差や発音の微妙な違いを聞き分けられるようになります。
無理に詰め込む必要はなく、絵本や歌、遊びの中で英語に出会うだけでも十分に効果的です。
臨界期を過ぎても英語耳を育てることは可能ですが、この時期に英語の音に出会っておくと、後々の学びがよりスムーズになる土台になります。
本人が努力しなくても身につけられるリスニング力!すごいですよね!

幼児期に英語耳を育てるメリット

英語耳を育てることには、英語が聞き取れるようになるだけでなく、発音やリスニング力、学習意欲の向上など多方面にわたる効果があります。
特に幼児期から英語の音に触れることで、英語を学ぶ土台を自然と築くことができます。
ここでは、英語耳を育てることで得られる以下のメリットを紹介します。
- 英語に対する抵抗感がなくなる
- 正しい発音とリスニング力が身につく
- 学習の吸収が早く、将来の英語学習がスムーズになる
英語に対する抵抗感がなくなる
幼児期から英語の音に親しんでいると、英語に対して「知らない言葉」という心理的な壁が生まれにくくなります。
英語に苦手意識を持つ理由の一つとして、「英語を聞き取れない」というストレスを抱える人が多くいますが、英語耳が育っていると英語が聞き取れるので英語を身近な存在として受け入れやすくなり、抵抗を感じにくくなります。
英語耳が育つと、聞き取れない・発音できないことが少なくなるため、英語に対して自然とポジティブな気持ちが芽生えます。
こうしたポジティブな気持ちは、将来の学習意欲や継続的な取り組みにもつながっていくでしょう。
正しい発音とリスニング力が身につく
英語耳が育っていると、英語特有の音やリズム、イントネーションを聞き取れるようになり、正しい発音を再現しやすくなります。
特に「LとR」「BとV」など日本語には存在しない音の聞き分けができるようになることで、ネイティブに近い発音が自然と身につきます。
さらに英語耳が育つとネイティブのスピードやイントネーションでも聞き取りやすくなります。これは耳が英語特有のリズムや音の変化に慣れているからです。
実際、単語を個別に覚えるよりも、日常会話のような自然なスピードの音に触れておくほうが、リスニング力はぐっと伸びます。
小さい頃から英語に親しんでいると、英語の音が「特別なもの」ではなくなり、聞き取る力が無理なく育っていきます。
学習の吸収が早く、将来の英語学習がスムーズになる
幼児期の子どもは耳から入る情報の吸収力が非常に高く、英語耳が育っていることで、絵本や歌、日常会話などから自然とインプットすることができます。
この段階で「英語を聞いて理解する」「音のまま真似する」経験を積んでおくと、学ぶことに対してポジティブな感情を持ちやすくなります。
さらに、英語の音に慣れていると英語に対する抵抗が少なくなりやすく、初めて聞く単語やフレーズでも違和感なく受け入れられるため、小学校以降の英語学習でもスムーズに進めることができます。
さらに、聞き取れる、発音できるという実感が英語学習の自信に繋がり、長期的な英語力の向上も期待できるのです。
学ぶことが「楽しい」と感じられる経験が増えることは将来の学習意欲にも大きく影響します。
日本人は英語耳を育てにくいって本当?

「日本人は英語の聞き取りが苦手」とよく言われますが、その背景には言語的な違いや生活環境の影響があります。
英語耳を育てにくい原因を正しく理解しておくことで、どうすればその壁を乗り越えられるのか、対策も見えてきます。
ここでは、日本人は英語耳を育てにくいと言われる理由について以下の3つの視点から解説します。
- 英語と日本語では音の数や高さが違うから
- 文のつくりが日本語と大きく異なるから
- そもそも英語にふれる機会が少ないから
英語と日本語では音の数や高さが違うから
英語と日本語では、使われる音の種類や音域が大きく異なります。
日本語は約100種類の音で構成されていますが、英語はその10倍以上、約1,800種類もの音を使う言語です。
この圧倒的な音の数の違いが聞き取りに差を生む原因の一つです。
また、音の高さ=周波数帯も異なります。日本語は主に125〜1,500Hzの範囲が中心なのに対し、英語は2,000〜15,000Hzまでと広く、しかも高めの音が多く使われています。
この高周波に慣れていないと、英語が聞き取りにくく感じるのです。
こうした違いに耳が慣れていないと、英語の音は「聞いたことがない音」として処理されてしまい、うまく聞き取れません。
幼いころから英語の音に触れておくことで、こうした違いにも自然と対応できるようになります。
文のつくりが日本語と大きく異なるから
英語と日本語では、文の構造や話し方のリズムが大きく異なります。
日本語は「主語+目的語+動詞(SOV)」という語順で、文の最後に動詞がくるため、文全体を聞いてから意味をつかむのが自然な流れです。
一方、英語は「主語+動詞+目的語(SVO)」という順番で、動詞が先に登場するため、聞こえた順にすばやく意味を処理する力が求められます。
また、英語は話すときに単語と単語がつながって発音される「リエゾン(例:"Pick it up" → [ピキラップ])」や、語ごとの強弱によるリズムの変化が頻繁に起こります。
日本語は一語ずつ明瞭に発音されることが多いため、聞き慣れていないと「単語の区切り」がわからず、文全体の意味がつかめません。
つまり、語順や音のリズムの違いに対応できていないと、英語の文を「音のかたまり」として理解することができず、英語耳は育ちにくくなってしまうのです。
逆に言えば、こうした違いに早い段階から慣れておくことで、聞こえてきた英語をリアルタイムで理解する力が自然と身についていきます。
そもそも英語にふれる機会が少ないから
日本で生活している限り、日常的に英語を聞く機会はとても限られています。テレビやラジオ、看板なども基本的にはすべて日本語です。
家庭内でも英語を話す場面はほとんどないため、自然に英語耳を育てることが難しい環境です。
英語圏の子どもたちが、聞きながら言葉を覚えていくのと同じように、日本の子どもも日本語を通して世界を理解しています。
そのため、日本語だけの環境にいると、どうしても英語の音に対する感度は育ちにくくなります。
家庭でできる英語耳の育て方

英語耳を育てるためには特別な教材や留学が必須というわけではありません。
家庭の中でも、ちょっとした工夫で英語の音にふれられる環境をつくることができます。
ここでは、家庭でできる具体的な取り組みを以下3つ紹介します。
お子さんと一緒に楽しみながら、自然と英語の音が身につく習慣をつくっていきましょう。
- 「英語に触れられる環境」を毎日少しずつ作る
- フォニックス学習で音と文字をつなげて覚える
- 歌やリズム遊びで楽しく英語に親しむ
「英語に触れられる環境」を毎日少しずつ作る
子どもが英語耳を育てるには、まず英語の音に触れる時間を日常に取り入れることが大切です。
とはいえ、英語の教材を長時間聞かせたり、詰め込んだ学習をさせたりする必要はありません。ポイントは、「毎日少しずつ」「楽しい形で」続けることです。
日常に英語を取り入れる工夫の例
- 朝の支度中や移動中に英語の歌を流す
- 寝る前に英語の絵本を一緒に読む
- 英語のアニメやYouTube動画を一緒に楽しむ
- 親が簡単な英語のフレーズを日常会話に取り入れる
子どもが自然と耳を傾けるようになるには、“英語が当たり前にある空間”をつくることが一番の近道です。特別なことをしなくても日常の中で少しずつ英語に出会う工夫をしていきましょう。
フォニックス学習で音と文字をつなげて覚える
英語耳を育てる上で、フォニックス学習を取り入れることはとても効果的です。
フォニックスとは、「アルファベットの文字と音の関係」を学ぶ方法で、英語圏の子どもたちもこの方法で読み書きを習得していきます。
たとえば、「A」は「エー」ではなく「ア」、「B」は「ブ」というように、それぞれの文字に対応する「音」を学んでいきます。
こうした音の感覚を身につけると、聞いた音を正確に再現したり、知らない単語を聞き取る力が自然と伸びていきます。
フォニックス学習は一見難しそうでも、現在は日本語の補助やカタカナ付きの教材、歌やアニメなど幼児向けに工夫されたツールが豊富にあります。
無理に「覚えさせる」のではなく、「一緒に遊ぶ」「一緒に歌う」中で、自然と音が体にしみこむ環境をつくっていくのがおすすめです。
歌やリズム遊びで楽しく英語に親しむ
幼児期の子どもにとって、「楽しい」は最大の学びの原動力です。英語の歌や手遊び、リズムに合わせた体の動きなどは、遊びの中で自然に音や言葉を吸収できるぴったりな方法です。
英語を使った遊びの例
・英語の童謡を一緒に歌いながら、歌詞に合わせてダンスや手拍子を加える
おすすめの童謡「Wheels on the Bus」「If You're Happy and You Know It」「B-I-N-G-O」
・単語に合わせたジェスチャークイズやまねっこ遊びをする
例:"jump" や "clap" などの動作を英語で言って、親子でまねっこする
・おままごとやお人形を使って英語のセリフでごっこ遊びをする
お人形を使って “Hello, my name is Anna.” “Let’s have a picnic!” など英会話を取り入れる
英語耳を育てるときに気をつけたいこと

英語耳を育てることはとても大切ですが、焦って詰め込みすぎてしまうと、かえって子どもに負担がかかることもあります。
特に幼児期は、感受性が豊かで繊細な時期です。無理な学習や過度な期待は、英語に対して苦手意識を持ってしまうこともあります。
ここでは、英語耳を育てる際に意識したいポイントを以下の3つお伝えします。
子どもにとって心地よい英語との関わり方を見つけていきましょう。
- 日本語とのバランスを崩さないようにする
- 無理に詰め込まず楽しい雰囲気を大切にする
- 子どものやる気を尊重して見守る
日本語とのバランスを崩さないようにする
英語耳を育てたいからといって、英語ばかりに偏ってしまうと、母語である日本語の発達に影響が出ることがあります。
特に2〜3歳の子どもは、ちょうど言葉を急速に吸収している時期です。日本語の語彙や表現力を伸ばすことも社会性や思考力を育てるうえで欠かせません。
そのため、英語に触れさせる時間は大切にしつつ、日本語の読み聞かせや会話の時間もしっかり確保することがポイントです。
英語と日本語、両方をバランスよく取り入れることで、言語への興味や理解も深まります。
英語を特別なものと捉えるのではなく、「言葉の一つ」として自然に取り入れていく姿勢が子どもの中に心地よく残っていくはずです。
無理に詰め込まず楽しい雰囲気を大切にする
英語耳を育てようと意気込むあまり、「1日〇分は英語」「もっと発音をよくして」などとプレッシャーをかけてしまうと、子どもは英語に対して苦手意識を持ちやすくなります。
幼児期に大切なのは、「できることを楽しみながら少しずつ伸ばす」ことです。
子どもが歌を口ずさんだり、英語の絵本を楽しそうに聞いたりしている姿があれば、それだけで立派な英語耳の土台づくりです。
成果を急がず、毎日の中に“楽しい英語”を取り入れていくことが一番の近道です。
親がリラックスして一緒に楽しむ姿勢を見せることで、子どもも自然と英語に親しんでいくでしょう。
子どものやる気を尊重して見守る
英語耳を育てる過程で、子どもが急に英語に興味を示さなくなることもあります。しかし、それはよくあることです。
焦ってやらせようとするのではなく、「今はそんな時期なんだな」と受け止めて、見守ることが大切です。
やる気がないときに無理に続けると、かえって英語を嫌いになってしまう可能性があります。
子どものペースを尊重しながら続けていくことが、結果的に長く、そして深く英語と関わっていける力につながっていきます。
やらされるのではなく、「やってみたい!」と思える環境づくりが成功のカギです。
合わせて読みたい
英語耳についてよくある質問

英語耳に関心がある親御さんから英語耳と年齢に関する疑問が特に多く聞かれます。
ここでは、そうしたよくある質問を2つ厳選し、わかりやすくお答えしていきます。疑問や不安を解消しながら、お子さんの英語学習を前向きに続けていくためのヒントをお伝えします。
英語耳は何歳までが限界ですか?
「英語耳は〇歳までに育てないと間に合わない」といった情報を見かけて、不安になる親御さんも多いかもしれません。
確かに、2〜9歳ごろまでの間は、音への感度が高く、英語耳が自然と育ちやすい時期とされています。
しかし、これはこの時期を過ぎたからといって、英語耳を育てることができなくなるわけではありません。
耳から英語を身につけることができる時期に英語をスタートできると良いでしょう。
英語耳のゴールデンエイジはいつですか?
英語耳を育てるうえでの「ゴールデンエイジ」は、一般的には3〜6歳ごろと考えられています。
この時期は、言語に対する感受性が特に高く、英語の音やリズムも無理なく吸収しやすいからです。
この年代の子どもは、「聞こえた音をそのまま真似る」「遊びながら自然に言葉を覚える」といった特性があります。まさに英語耳を育てるのにぴったりなタイミングと言えるでしょう。
まとめ
英語耳は、幼児期の柔軟な感性を活かして育てることができる、大切な力です。
特に3〜6歳は、英語の音やリズムに自然と親しめる「ゴールデンエイジ」とされており、この時期に英語に楽しく触れることで発音やリスニングの土台が無理なく育ちます。
しかし、年齢だけにこだわる必要はありません。
大切なのは、子どもが「楽しい」「もっとやりたい」と感じながら英語に触れる機会を日々積み重ねていくことです。
子どもの興味に合わせながら、英語に触れられる環境作りこそが将来英語を日本語と同じように「言葉」として使える力になります。
「英語=勉強」という概念を取り払い、生活の中に英語を取り入れていくという方法を実践してみてください。
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