感受性豊かな子どもに育てるにはどうすればいい?

No.43更新日付:2023年1月19日
近年は核家族化が進んでいる上、個々のプライバシーが尊重される時代です。昔のような「社会全体で子育てする」という雰囲気はなく、感受性豊かな子どもに育てるのは難しくなっているといわれます。
我が子の個性を尊重し感受性を高めるには、どのように接していくべきなのでしょうか?ここでは感受性豊かな子どもの特徴や感受性が豊かになるメリット、さらには注意点や気を付けたいポイントを紹介します。親子でさまざまな体験を共有し、子どもの感受性を育てていきましょう。
近年は早期教育において、感受性豊かな子どもの育成を目指す教室・パパ・ママが増えています。しかし実際のところ、「感受性豊かな子ども」とはどのような子どもを指すのでしょうか?
まずは、感受性豊かな子どもに多く見られる特徴について紹介します。
感受性豊かな子どもは、気分の変化がはっきりと分かるのが特徴です。笑ったり泣いたり忙しく、わずかな時間で表情がくるくる変わります。
一般に、感受性豊かな子どもは、楽しいこと・怖いこと・悲しいことなどの感覚センサーが敏感です。他人の心の機微に聡く、相手の気持ちを読むのに長けています。感受性豊かな子どもほど「思いやりがある」「優しい」などと言われるのは、このためです。
好奇心が強く、興味を持ったものに突進していく…、これも感受性豊かな子どもに多く見られる特徴です。
興味の対象がコロコロ変わる子どももいれば、一つのものを突き詰めたがる子どももいます。「なぜ?」「どうして?」と質問攻めにされ、パパ・ママが困ってしまうことも少なくありません。
突拍子もない言動が多い子どもは、心の動きに素直なだけです。そばにいるパパ・ママは「目が離せない」「何をするか分からなくてハラハラする」と感じることが多々ありますが、「感受性豊かに育っている」と前向きに捉えましょう。
さまざまな教育現場で「子どもの感受性を育てるべき」と言われるのは、どのような理由があるためなのでしょうか?豊かな感受性を持つことで得られる、メリットについて見ていきましょう。
感受性豊かな子どもには、コミュニケーション能力が高い子どもが多く見られます。子ども間の深刻なトラブルが起こりにくく、お友達と楽しく・仲良く過ごしやすいでしょう。
感受性豊かな子どもは、相手の気持ちを汲むことが上手です。お友達と意思疎通しやすく、思いやりを持った行動ができます。自分の気持ちを表現することにも長けているため、周囲と協調しながら自分のポジションを確立できるでしょう。
相手の気持ちを汲めるということは、相手の悲しみや痛みにも共感できるということです。相手の気持ちに共感できれば「これをされたらいやだろうな」「悲しい気持ちになるだろうな」と気付けます。相手を不快にさせない言動や相手を喜ばせるための行動がとれるため、周囲から信頼され愛される人となれるでしょう。
感受性豊かで心がやわらかい子どもほど、何かを見たり触れたりしたときに心が大きく反応します。これが「知りたい」「見たい」の原動力となり、子どもの好奇心を呼び覚ますのです。
「なぜだろう」「どうなっているんだろう」という好奇心は、考える力の育成へとつながります。子どもは自ら学びたい・知識を得たいと考えるようになり、学習意欲・知識欲旺盛な子どもに育つでしょう。
感受性が豊かなのは好ましいことですが、それゆえに心が不安定になることもあります。感受性が強過ぎる子どもは、どのようなことに悩むのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
感受性豊かな子どもは感情の振り幅が大きくなりがちです。うまくいかないことがあるとかんしゃくを起こしたり、泣いて手が付けられなかったりすることがあります。
特に子どもが小さいうちは、子ども自身うまく感情をコントロールできません。パパ・ママは手を焼く場面が多く、戸惑うこともあるでしょう。
感受性の豊かさによる感情のアップダウンは、年齢を重ねるごとに落ち着いてきます。パパ・ママは努めて穏やかに振る舞い、子どもの気持ちをしっかりと受け止めてあげることが大切です。
他人の気持ちを敏感に感じ過ぎてしまって、心のままに振る舞えなくなる子どももいます。優し過ぎるがゆえに自分の希望を主張できずにいると、本人も気付かぬうちにストレスを抱えてしまうかもしれません。
また、周囲の反応に敏感な子どもは、自分に向けられる目が気になってしまいます。人前で萎縮しやすく、発表会や運動会でぐずったり泣き出したりすることもあるでしょう。
感受性の豊かさからくる内気な性格は、自分に自信が持てるようになれば徐々に変化します。親は「もっと前に出て」「恥ずかしがらないで」などと言わずに、よいところを見つけて褒めてあげましょう。
子どもの好奇心を刺激して感受性を育てるためには、子どもにさまざまな体験をさせてあげることが大切です。感受性豊かな子どもを育てるため、パパ・ママが行いたい取り組みを紹介します。
小さい頃の遊びは、世界の多様性を知るきっかけの一つとなります。遊びを通して楽しい・面白い・難しい等のさまざまな感情を体験することで、子どもは自身の感性をさらに磨き上げていくでしょう。
子どもの遊びのポイントは、五感をフルに使うことです。全身を使って踊ったり動いたりすることは、うちにある感情の解放につながります。また、室内で遊ぶだけでなく、屋外で自然と触れ合うことで、葉っぱ・土のにおいや感触が子どもの心を刺激して、感受性を育ててくれるでしょう。
子どもが刺激を受けたときは、「楽しいね」「きれいだね」とパパ・ママが共感を示してあげましょう。
パパ・ママの言葉を受け取ることで、子どもは自身の体験を「楽しい」「きれい」とラベル貼りします。感情の引き出しが増えて、感受性豊かな子どもに育ちやすくなるのです。
特に子どもが小さいうちは、パパ・ママが唯一のガイドとなります。積極的に子どもへの共感・賞賛を伝え、親子で気持ちを分け合いましょう。
パパ・ママによる幼少期の絵本の読み聞かせは、子どもの脳によい刺激を与えるといわれます。毎日時間を決めて、読み聞かせの時間を設けましょう。楽しい話・怖い話・悲しい話などを聞かせることで、日常では味わえない感情を体験させてあげられます。
未知の物語を知ることは、子どもにとって想像力を高めるよいチャンスです。語彙力も自然に増えていくため、子どもは自分の感情を表現するのも上手になっていくでしょう。
子どもの感受性を育む上で、パパ・ママの役割は非常に重要です。日々の触れ合いで、パパ・ママが気を付けるべきポイントを紹介します。
子どもの体験・学びに対し、親の価値観を押し付けるのは控えましょう。
「こっちの方がいいよ」「あっちに行くよ」、このように親が指示を出し過ぎると、子どもの自主性を奪います。子どもは自分の感じたこと・想像したことに自信が持てなくなってしまい、感情を外に出すのが苦手になってしまいます。
子どもと接するときに「ダメ」「そうじゃないよ」という否定語を使うのは望ましくありません。命の危険に関わるときや社会に迷惑を掛けるとき以外は、子どもの言動・感情を受け入れてあげましょう。
子どもに自由な発想・想像を促すには、「自分は受け入れられている」「自由に何でもできる」と実感させてあげることが必要です。
子どもの感受性が高いと、相手の気持ちを汲んで思いやりのある行動をとったり、相手の悲しみや痛みに共感し、相手を不快にさせない言動ができたりします。周りの人と信頼関係を築くことにもつながるため、自分の子どもが感受性豊かに育ってほしいと望むパパ・ママも多いでしょう。
子どもの感受性を育てるには、子どもにさまざまな体験をさせてあげることが必要です。親子で室内に閉じこもらず、積極的に子どもを外に連れ出しましょう。遊びを通して楽しい・面白い、をはじめとするさまざまな感情を体験することで、子どもの感性がどんどん磨かれていくでしょう。
また、感受性を育む際には親が価値観を押し付けたり、子どもの発想を否定したりすることは避けましょう。自由にのびのびとした環境下でこそ感受性は育ちます。子どもの五感を刺激するようにたくさん遊ばせ、時には考えに共感を示すことで、子どもが受け入れられていることや自由なことを実感できるよう働きかけましょう。
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カテゴリ>3歳~6歳の育児