幼児の英語教育の始め方は？幼児期に家庭でできる英語学習のコツ

幼児期の英語教育には単に「英語を早く覚える」というだけでなく、脳の発達や言語習得能力に大きく関わるメリットがあります。

聞き取りや理解力の向上、学習時間の習慣化、多様性への理解など、将来につながる豊かな土台を築けます。

ここでは、幼児期だからこそ得られる以下の4つのメリットについて詳しく解説します。

• 聞き取りが得意になる「英語耳」が育つ
• 自然に英語を理解する「英語脳」が作られる
• 生活の中で自然に英語が身につく
• 英語を通して世界や多様性への理解が広がる

幼児期は音の違いを聞き分ける能力が高く、外国語の音にも柔軟に対応できます。

この時期に英語に触れることで、日本語にはない発音やイントネーションを聞き取る力「英語耳」が育ちやすくなります。

例えば、LとRの音の違いやthの発音など、大人には聞き分けが難しい音も3歳から5歳の子どもは耳が柔らかく、繰り返し聞くことで自然と吸収していくことができます。

この「英語耳」は将来的なリスニング力や発音の基礎となるため早期からの音声環境作りが効果的です。

幼児期は物事を直感的に覚える力が強く、英語も「日本語で考えてから英語に訳す」というプロセスではなく、聞いた言葉をそのまま英語で理解・反応する「英語脳」が育ちやすい時期です。

この時期に英語での語りかけや映像コンテンツに触れることで、英語を英語のまま受け取る感覚が身についていきます。

こうした方法は英語を自然に身につける上でスムーズで効率的なアプローチといえるでしょう。

幼児にとって学びの入り口はいつも「遊び」です。

遊んでいるときに英語で語りかけたり、英語絵本や英語アニメを楽しむなど生活の中で英語に触れることで、無理なく言葉を吸収できます。

このような体験を重ねることで、英語を「勉強」と捉えることなく、日本語と同じコミュニケーションツールとして身につけていくのです。

楽しいという感情と結びついた記憶は定着もしやすく、結果として語彙力やリスニング力の基礎を作ることにもつながります。

英語を学ぶことで外国の文化や価値観に自然と興味を持つようになります。これは、将来グローバルな視点を持って行動するための土台になります。

英語の絵本やアニメには日本とは違う暮らしや考え方が登場します。そうした内容に触れることで、「こういう考え方もあるんだ」と柔軟な発想や他者への理解力が育まれます。

また、多様性を尊重する姿勢はこれからの時代を生きる上で欠かせない能力です。

英語は単なる言語のスキルにとどまらず世界を広げる第一歩となるのです。

幼児期から英語教育を始めることには多くのメリットがありますが、一方で注意しておきたいポイントもいくつか存在します。

とくに日本語とのバランスや、続けられるかどうかは非常に重要です。

ここでは、以下の幼児期の英語教育でありがちな落とし穴と対処法について解説します。

• 日本語の力とのバランスを崩さないように注意
• 無理にやらせると英語嫌いになってしまうことも
• 毎日続けられないと「やめ時」をすぐ考えてしまう

英語にたくさん触れさせると「日本語が遅れてしまうのでは？」と心配される方もいます。

たしかに、日本語に触れる時間が減ると、一時的に語彙の伸びがゆるやかに見えることはあります（※）。

しかし近年の研究では、「英語を学ぶと日本語ができなくなる」という考えは科学的に根拠が乏しいことが示されています。

最近の研究では、バイリンガルの子どもは語彙の発達が一言語の子どもと同じくらい、時にはそれ以上に伸びることも分かっています（※）。

大切なのは『日本語を生活のベース』にしながら、絵本や歌、遊びの中で自然に『英語を取り入れる』ことです。

子どもは環境から大きな影響を受けるため、焦らずその子のペースを尊重しながら、日本語と英語の両方を無理なく伸ばしていくことが大切です。

※参考：篠沢 薫（東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科）「日本語がマイノリティ言語である環境で育つ子どもたちの言語発達（2018） 」
※参考：佐藤 有里（ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所）「乳幼児期の英語環境教育は日本語の語彙発達を遅らせるか？（2019）」

早く英語に慣れさせたいという思いから、毎日長時間の英語学習を続けると子どもが英語に対して苦手意識を持ってしまうこともあります。

特に3歳～5歳の幼児は、感情が敏感で強制されることにストレスを感じやすい時期です。

親の期待が強くなると、「やらされている」と感じてしまい、英語＝イヤなことという印象が残る可能性もあります。

最も大切なのは、生活の中に自然と英語を取り入れる環境づくりです。

子どもが夢中になれる絵本や歌、お気に入りのキャラクターを使って、遊びの延長線上で英語に触れられるよう工夫してみましょう。

英語教育を始めたものの、仕事や家庭の事情で時間が取れず、「続けられないならもうやめたほうがいいのでは」と感じることもあるかもしれません。

特に、最初に大きな目標を掲げて「毎日30分やらなければ」などといきなり完璧を目指すと、予定通りに進まなかったときに挫折感を感じる方も少なくありません。

しかし、英語教育は長距離マラソンのようなもので、長期的に考えて取り組み「生活の中に自然に存在していること」が大切です。

たとえば、朝の支度中に英語の歌を流す、寝る前に英語の絵本を読むなど、日々の生活の中で少しずつ取り組むことで効果が出てきます。

また、子どもの興味は波があるのが当然で、一時的に関心が薄れても心配はいりません。

そのときは一度やめるのではなく、英語を取り入れる方法を変えてみるのがおすすめです。

歌から絵本、絵本からアニメといったように切り替えることで、無理なく英語を続けるリズムをつくることができます。

結果的に「やめ時」を気にするのではなく、「続けられる形を見つける」ことが長く続けるコツになります。

英語教育は特別な教材や教室に通わなくても家庭の中で楽しく自然に取り入れることが可能です。

子どもにとって大切なのは「勉強」ではなく「生活の一部」として英語に触れることです。

ここでは、家庭で出来る幼児の英語学習のコツを以下の3つをご紹介します。

• いつもの遊びに英語をプラスする
• 「英語耳」はまず「聞く」ことから
• 子どもの「好き」を学びの入り口にする

幼児期は遊びを通して多くを学びます。

おままごとやお絵描きなど、普段の遊びにちょっとした英語の声かけを加えるだけで自然と英語に親しむ時間が増えます。

子どもが遊んでいる時に親が簡単なフレーズで語りかけたり、日常生活の中でよく声かけする言葉を英語に置き換えると、英語を体験として覚えることができます。

大切なのは、正しい英語を教えることよりも一緒に楽しむことです。

親が間違えても問題ありません。日常的に英語を使う姿を伝えることが何よりの学びになります。

英語耳を育てるには、まずはたくさんの英語を「聞く」ことが何より重要です。意味がわからなくても繰り返し聞くことで音のリズムやイントネーションに慣れていきます。

英語の歌を使う

英語の歌は、テンポがよく、リズムに乗って覚えやすいため、幼児にとって非常に効果的です。

特に「Head, Shoulders, Knees and Toes」や「The Wheels on the Bus」など、動作をつけて歌えるものはおすすめです。

歌を通して「耳」だけでなく「体」でも英語を感じられるので、飽きずに楽しめる上に、記憶にも定着しやすくなります。

絵本の読み聞かせやQRコード付きの音声教材を活用する

英語の絵本はイラストと言葉がセットになっているため意味が直感的に理解しやすく、語彙の習得にも役立ちます。

最近ではQRコード付きで音声を聞ける絵本も多く、親が英語に自信がなくても安心です。

また、音声を一緒に聞くことで発音やリズムも自然と身につきます。お気に入りの絵本を何度も繰り返し読むことでフレーズが自然と口から出るようになります。

幼児の学びは「好き」という気持ちが何よりも原動力です。

好きな動物、キャラクター、乗り物など、子どもの興味に英語を絡めることで自ら進んで英語に触れようとする姿勢が育まれます。

例えば、恐竜が好きな子には「Dinosaur ABC」などの英語絵本を、プリンセスが好きな子にはディズニーの英語の歌を取り入れるなど好奇心に合わせた英語環境づくりが効果的です。

また、子どもが自ら「これ英語で何て言うの？」と聞いてきたときは大きなチャンスです。そのタイミングを逃さず、一緒に学ぶことで、学習が習慣として定着しやすくなります。

幼児期からの英語教育には、英語耳や英語脳の形成、遊びを通じた英語習得、多様性への理解の促進などさまざまな効果を期待できます。

一方で、日本語とのバランスや継続の難しさなど注意すべき点もあります。

英語学習は決して特別なものではありません。日常の中で英語の歌を流したり、絵本を読んだり、親子で遊びながら言葉を交わすだけでも、子どもの中にしっかりと英語の感覚が育っていきます。無理なく、生活の中に自然と取り入れることが一番のポイントです。

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