3歳児なのに言葉の発達が遅い…発達を促すにはどうすればいい?

No.25更新日付:2023年1月13日
3歳児の言葉の発達が遅いと、何か問題があるのではないかと考えてしまいます。しかし言葉の発達は子ども一人ひとりで大きな差があるため、必ずしも何か原因があるわけではありません。とはいえ、周りの子どもと比較して悩まれる人もいるでしょう。
子どもの言葉がなかなか発達しないと感じる場合は、言葉の発達を促す方法があまり効果的ではないのかもしれません。時には大人が言葉の発達を促すよう働きかけることで、改善する可能性もあります。3歳児の言葉の発達を促す、おすすめの方法をご紹介していきます。
言葉は年齢が上がるにつれて発達していきます。しかし言葉の発達は個人差が大きく出るため、基準は一概に決められません。最初から少しずつ言葉を話し始める子もいれば、一気に話し始める子もいます。統計データによる目安はありますが、そもそも言葉の発達には個人差が大きくでることを前提に考える必要があります。
3歳は言葉が急に発達し始める時期です。2歳~3歳の間には、単語の数が徐々に増え、単語同士のつながりもわかるようになってきます。また、大人から話しかけられるだけでなく、自分から大人の話を聞くようになり、意味を理解しようとする意識も徐々に芽生えていくのが特徴です。
正確には2歳6カ月から3歳頃に大人が使う言葉を真似る「模倣」の時期(ごっこ遊びの時期)がきて、その後、3歳から4歳頃にかけて言葉が複雑に構成できるようになります。述語や代名詞、助詞など文法を用いた会話が始まるのもこの時期といわれています。
言葉の発達に必要なのは以下のような要素が必要だと言われています。
●言葉を聞き取れる聴力
●言葉を理解する知能
●発声(声を出す)ための器官が発達している
●言葉を話す欲求がある
中でも、聴力・知能・発声器官は言葉を話す上で欠かせない要素です。子どもが呼びかけに反応するかをチェックし、言葉を聞き取れるか確認してみましょう。大人から声をかけられて注意がそちらに向くか、もしくは指でさした先に注意が向くかも重要です。
言葉は理解してから話せるようになるため、周囲から遅れていると感じる場合でも先ほどの3要素を満たしていれば、いずれ自然と言葉を話し始めるでしょう。
同時に、子どもの「なんで?」「これはなに?」といった疑問は知識を増やすきっかけとなります。子どもは会話の中で言葉を吸収し、扱えるようになるので、積極的に会話する時間を設けることが言葉の発達につながります。もし疑問形で話しかけられることがあれば、子どもが理解できる言葉で分かりやすく答えてあげましょう。
言葉の発達が遅れる原因として考えられる理由として、次の4つが挙げられます。
●言葉を理解できていない
●単純性言語遅滞
●言葉が聞き取れていない
●障害の兆候
言葉の発達が遅れていると、不安を感じたり、人によっては発達障害ではないかと原因を疑ったりしますが、単純に子どもの成長ペースが少しゆっくりだったという場合がほとんどです。
また言葉は理解できなければ、うまく扱えません。言葉の意味がしっかりできていないと語彙力も増えていかないので、それぞれの言葉の意味をしっかり理解できているかチェックしてみましょう。
それぞれの原因に関して、より詳しく紹介します。
言葉の理解ができていないと、話せる言葉は増えていきません。言葉を覚えている最中の子どもにとって、理解できていない言語は右から左へただ流れていくだけです。
名前を呼んで自分の名前を理解しているか、「おいで」「車」などの言葉が何を指しているかわかるか、などを確認すると良いでしょう。
言葉それぞれが理解できるようになってから初めて蓄積されていくので、まずは言葉の意味をしっかり理解してもらうのが大切です。
単純性言語遅滞とは聴力や知能などの問題が考えられず、なおかつ言葉が2歳から3歳にかけて急激に発達する状態のことを指します。
よくいう言葉の発達の差は単純性言語遅滞によるもので、周囲より発達が遅れていた場合でも急激に成長して追いつくため問題ありません。呼びかけや物音など音にしっかり反応し、表情豊かであれば、単純性言語遅滞の可能性があるので目安にしてみてください。
言葉が聞き取れていない場合は、子どもの聴力に何か問題があるのかもしれません。
言葉は耳でしっかり聞き、言葉ごとに聞き分けた上で理解する必要があります。乳幼児健診では聴力の検査が行われますが、言葉が発達しないと感じる方は聴力の問題を疑ってみてください。
名前を呼ぶ、音を立てる、といった外部からの働きかけにしっかり反応する場合は、他の原因が関与している可能性があります。子どもが音や言葉を聞きとれているのかどうか注意深く観察してみましょう。
ここまでで紹介した3項目に当てはまらない場合は、発達障害や知的障害の可能性があります。
発達障害には自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、ADHDなどが挙げられます。一方知的障害には、知的機能に遅れがあり、生活面にうまく適応できないなどの症状が挙げられます。
ただし言語の発達には子どもごとに大きな差があり、子どもの数だけ成長の仕方があります。言葉をなかなか話さないという理由だけでは発達障がいと判断できないため、注意が必要です。
もし不安があれば専門機関で聴力や発達(知能)の検査を行いましょう。検査結果だけではなく、行動の特徴を分析して総合的に判断してもらえます。
専門機関以外にも、定期健診の際に言葉の発達について相談したり、かかりつけ医に相談したり、保健所に相談したり、より多くの意見を取り入れるのが大切です。焦らずに子どもの成長に向き合いましょう。
もっと子どもにたくさんの言葉を話してほしい!と思った場合は、大人の行動から変えていくのが大切です。行動次第で子どもの語彙力が大きく広がる可能性もあるので、言葉への興味をうまく促してみてください。
具体的には
●話しかける回数を増やす
●子どもとの会話に返事をする
●発声に関する筋肉を遊びで鍛える
●絵本の読み聞かせ回数を増やす
●ゲーム感覚でコミュニケーションをとる
などの方法があります。それぞれの方法を詳しくご紹介します。
子どもの言語発達を助ける方法として効果的かつ手軽にできるのが、積極的なコミュニケーションです。昨今はYouTubeやゲームの発達で親子の会話が減ったことが懸念されており、コミュニケーションの大切さがより重要視されています。
また子どもに話しかけるときは、以下の2つを意識してみてください。
●子どもと同じ目線で話す
●子どもと同じものに注目する
子どもにとって言葉は、まだ意味がわからないものがほとんどです。同じ目線で話せば意味の理解にもつながるでしょう。
3歳を過ぎた頃になると、「あれはなに?」「どうしてこうなるの?」など、さまざまなものに興味を持つようになり、次第に疑問も増えてきます。
まだ言葉がうまく話せない場合でも、意思疎通をしようとしているのでその意識にしっかり応えることが大切です。しっかり応じればコミュニケーション力が伸び、言葉の発達も同様に促せます。
子どもの言語発達を効果的に促す方法として、勉強よりも効果的とされているのが遊びながら言葉を覚える方法です。覚えるといっても、勉強的なものではなく、普通の遊びでも言葉の発達は促せます。
特に口周りの筋肉を鍛えると、発声が饒舌になったり、表情が豊かになったり、舌の筋肉も鍛えられたり、さまざまなメリットがあります。おすすめは風船を膨らませる遊びです。用意や片付けが面倒なら、ボールを息だけで浮かす「ボール浮かし遊び」もおすすめです。こちらは100円ショップや全国の玩具売り場で購入でき、子どもも夢中になって楽しめます。
ただし口に咥えて使用するおもちゃは、事故防止のため目を離さないように気をつけましょう。一緒になって楽しむと笑顔が増えて、表情筋のトレーニングにもつながりますよ。
絵本の読み聞かせは語彙力を広げるのにおすすめの方法です。
大人とのコミュニケーションでも語彙力は広がりますが、会話の中で登場する言葉には限りがあります。絵本を活用することで、少し難しい言葉や複雑な言い回し、多種多様な形容詞が登場するため、子どもの語彙力をより一層広げることができます。
また、絵本の読み聞かせは大人とのコミュニケーションのきっかけになったり、想像力を鍛えたりなど、多くのメリットがあります。最初は意味が分からなくても、何度か読み聞かせているうちに意味を理解し始めるので根気よく読み聞かせてみてください。
3歳の時期は特に大人の真似をしたがる時期です。大人の様子や仕草、口調をよく真似るようになるので、それを利用してまねっこゲームをするのもおすすめです。
ゲーム感覚なら、強制せず楽しみながらできるので子どもも前向きに取り組めるでしょう。笑顔が増えることで筋肉が鍛えられる効果も期待できます。
また、図鑑やカードなど、なにか動物や車、植物などが載ったものを使ってクイズゲームをすれば、単語の数を増やせるはずです。図鑑は子ども本人が好む本を選べば、さらに精力的に取り組んでくれます。日常生活でもクイズゲームを活用すれば、自然に言葉と意味がつながるようになり、結果的に言葉の発達を促せます。
3歳児の言葉の発達を促したいと思ったとき、大切なのは親子一緒に楽しみながらコミュニケーションを取ることです。
子どもの言語の発達はコミュニケーションの間で形成されていきます。動画や本を渡して見せるだけでなく、野外で一緒に楽しみ遊ぶことで、笑顔が増えて筋肉のトレーニングにもなります。
また言葉の発達が遅いと感じる場合でも焦ってはいけません。言語の発達は千差万別で子ども一人ひとり違った成長の仕方があるので、子どもに合わせて気長に待つのが大切です。ですが、どうしても心配という場合は、かかりつけ医や保健所などを頼ってみることも大切です。専門医の意見を聞くことで安心できる場合もあるでしょう。
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カテゴリ>1歳~3歳の育児