乳幼児期からの英語も日本語も堪能に話せるようにする育児について

No.97更新日付:2023年1月10日
国際化社会の進展がニュースの定番のテーマとなり、また日々の実生活のなかでも外国人の方にふれあう機会も増えており、英会話の重要性は誰しもが大なり小なり感じているものだと思います。できることならば我が子を英語を堪能に育ててあげたい、というのは多くの親御さんに共通する願いだと思います。
とはいえ、自身も英語を話せないのでどのように子どもに英会話を教えてあげればよいのかわからない…、という方も多いと思います。こちらのコラムでは、乳幼児期からの英語とのふれあい方について基本となる考え方を簡潔にまとめています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
子どもに英語学習を始めるのは、いったいいつが最適なのでしょうか?
「英語を習わせるならばできるだけ早いほうがよい」という声と「日本語もまだ話せないうちから英語なんて必要ない」という声が、それぞれもっともらしく世の中に広まっております。大変迷われる方が多い育児の悩みの一つになっています。
まずは「英語が話せる」とは、どういう状態なのか?について、改めてご一緒に考えてみましょう。
最初にしっかりと確認しておきたいのは「単語」を知っていることと「外国語を話せること」とは、まったく違うということです。
改めて「日本語」で考えてみて下さい。3歳の子どもは知らない言葉が山ほどあるのにもかかわらず、もうほとんど日本語で一通りの日常生活に必要な意思疎通はこなせます。逆に日本の高校生、大学生は「英単語」はずいぶんとたくさん知っていますが、それでも「英語が話せる」という人はほんの一握りです。
私たちが子どもに望むのは、難しい単語を知らなくても「自分の気持ちを伝達する表現」が、まったく無意識のうちに正しい文法で母国語同然に頭の中に自然と「ことば」として浮かぶという状態になることなのです。
実は子どもには「事実を大量に与えれば」「脳が自動的に法則を分析し、体系付けて理解してしまう」という乳児期のみ誰もがもっている奇跡的な「脳の機能」があります。この能力は0歳時がもっとも優れており、3歳頃を境に次第に失われていきます。
また、赤ちゃんはお母さんのおなかにいる胎児の時から、すでにあらゆる母音を聞き分ける能力を獲得していると言われています。その母音の数は大きく数えると全部で13個あり、英語だと短母音だけで8個。日本語は5個しかありません。これが生後の言語環境によって聞きわけることのできる母音であり、生後6ヵ月頃には大体固定するといわれています。
例えば、日本で日本語のみ聞いて育った日本人は「sun」「animal」「bird」なども全く違う音なのにすべて「ア」と聞こえてしまうのです。
つまり「英語を習うなら早いほうがよい」といわれる「早いほう」の意味が本当に指すものは、「幼稚園時代」などではなく「0~3歳期の脳の特殊性」を知っておこなうことが大切なのです。
子どもに苦労なく英語を習得させたいなら、乳児期からどんどん英語を聞かせましょう。よく「早期から英語育児をしていたために日本語がおかしくなってしまった」という声を聞きますが、英語育児とは関係無しに「母国語を育てるために必要な教育環境」を適正にはたらきかけていれば、英語力を育てることに力を入れても言葉が混ざったりしないのです。
しかし英語育児に力を入れすぎた結果、本当に子どもの言葉が遅れるというパターンがたった一つだけあります。それは、両親の母国語が英語ではないのに、英語があまりに堪能で基本的に英語のみで赤ちゃんを育てた場合です。
ベビーパークでも同じ事例がありました。
ご両親共に大変日本語が堪能な中国の方がいらっしゃいました。お子さまは1歳10ヶ月でしたが、言葉が非常に遅れていました。ご両親はやはり日本語と英語での育児に力を入れていました。そのため、ベビーパークからはご家庭で中国語での語りかけをおこなうようにコツをお伝えしました。
ご両親はそのとおりに熱心に取り組まれ、2ヶ月後にはお子さまの言葉がみるみる出てきたのです。特にご両親の母国語である中国語の習得が一番進んでおりましたが、日本語も英語も通常の2歳児レベルになりました。
ですから英語育児をおこなうにあたって、もっとも重要なことは「母国語育児を最重点教育にする」ということです。両親が母国語で語りかけ育児をすることで、子どもの母国語も第二言語も母国語同様に積み上げられていきます。
お母さんの語りかけなしでは、いくらCDなどをかけてみても学習効果はほとんどありません。発音はCDで修正されますからお母さん自身の発音に自信がなくとも、気にせずに語りかけてくださいね。
子育てママを元気に応援★ 2週間に1回、ベビーパークの教室で教えてもらえる育児方法をお届けしています。
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