さかさバイバイは健常児でもする?逆さバイバイをする理由や自閉症との関係を解説

No.237更新日付:2024年12月10日

子どもが「さかさバイバイ」をするとき、親御さんは不思議に思うかもしれません。この記事では、逆さバイバイが何を意味しているのか、その理由と、自閉症との関連性について詳しく解説します。さらに、この行動が意味する可能性のある発達のサインに対して、親がどのように対応すれば良いのかについても触れていきます。子どもの行動をより理解し、さかさバイバイについて正しい知識が身につくでしょう。

この記事でわかること

  • さかさバイバイとは
  • さかさバイバイと発達
  • さかさバイバイの対処法

逆さバイバイとは何か

逆さバイバイ、つまり子どもが手を振るときに手のひらを自分に向ける行動は、小さなお子さんによく見られます。この現象がなぜ起こるのか、親として理解することは、お子さんをサポートする上で大切です。ここでは、逆さバイバイの原因とその発達段階について詳しく解説します。

逆さバイバイ(逆手バイバイ)とは

逆さバイバイ、または逆手バイバイは、子どもが手を振るときに手のひらを自分に向けてしまう行動です。これは、小さい子どもによく見られる現象で、自分と他人の視点を区別する能力がまだ発達していないために起こります。子どもは、自分が相手からどのように見えているかを想像することが難しいため、このような振る舞いをします。

子供が逆さバイバイをする理由

子どもが逆さバイバイをする主な理由は3つあります。

【逆さバイバイをする理由】

鏡像反応の理解

小さな子供は、他人の動作を真似るときにしばしば鏡像反応を示します。これは、相手が行う動作を正確にコピーしようとする際、方向感覚が逆転してしまう現象です。右手で振る動作を見た場合、自分の左手を使って真似るような形です。

視覚的注意の焦点

子供は見ている対象に非常に集中する傾向があります。バイバイをする際に他人の手のひらがどのように見えるかを理解し、それを模倣しようとしますが、このプロセスで自分の手のひらが逆になることに気づかないことがあります。

発達の過程での自然な段階

幼児は自我と他者の区別が十分に発達していないため、自分が見ているものが他人にも同じように見えると考えがちです。たとえば、手のひらを自分に向けたまま手を振る逆さバイバイは、自分が見えている手のひらが他人にも見えていると幼児は認識しています。

これらの行動は、子どもがまだ「自分と他人の視点を切り替える能力」や、「自分と他人が同じものを見ているという共有視野を理解する能力」が発達していないことに関連しています。

しかし、このような逆さバイバイは、子どもの成長過程で自然に見られる行動であり、多くの場合、年齢と共に改善されていきます。特に、生後9ヶ月から1歳頃は健常児でも逆さバイバイをすることがありますが、1歳から2歳にかけては自分と他人の視点を徐々に理解し始め、2歳から3歳にかけては正しいバイバイの方法を学んでいくことが多いです。

親や保育者がバイバイの仕方を教えることで、子どもの発達に合わせて自然と改善されるでしょう。しかし、3歳を過ぎても逆さバイバイが続く場合は、自閉症スペクトラムやその他の発達障害の可能性を考慮し、専門家に相談することをおすすめします。

バイバイと手を振ることを覚えたばかりの赤ちゃんがさかさバイバイをしている場合はこれから改善されるのを見守ってあげると良さそうですね。

【年齢別】逆さバイバイが示す発達サイン

逆さバイバイは、赤ちゃんや幼児によく見られる愛らしい行動ですが、その背後には発達の重要なサインが隠れています。ここでは、逆さバイバイが一般的に見られる年齢と、それが示す可能性のある発達の遅れについて、詳しく解説していきます。

逆さバイバイが一般的に見られる年齢

逆さバイバイは、赤ちゃんや幼児がよくする行動ですが、特に生後9ヶ月から1歳の間によく見られます。この時期の子どもたちは、他人が何かをする動作を真似ることに興味を持ち始めます。

しかし、まだ自分と他人の違いや視点の違いを完全に理解するには至っていないため、手のひらを外側に向けるのではなく、内側に向けてしまうことがあります。これが逆さバイバイの典型的な例です。

3歳を過ぎても逆さバイバイをしている場合

一般的に、子どもは2歳から3歳にかけて自己と他者の区別がはっきりし、視点の違いを理解し始めます。そのため、逆さバイバイは自然と減っていくものですが、3歳を過ぎてもこの行動が続く場合は注意が必要です。

この時期になっても逆さバイバイが続く場合、言語発達や社会的なスキルの遅れなど、他の発達の遅れが見られることもあります。そのため、専門の医療機関や発達支援センターで診てもらうことをおすすめします。必要な支援を早期に受けることができます。

逆さバイバイ自体は多くの子どもが経験する一時的な行動ですが、他の発達の遅れが見られる場合には、医療機関などで見てもらうことが早期発見・早期治療につながることを念頭に置いておきましょう。

逆さバイバイと自閉症の関係性

逆さバイバイは、一見単なるかわいらしい行動のように見えるかもしれませんが、実は自閉症スペクトラム(ASD)の初期兆候として認識されることがあります。しかし、この行動が自閉症の確かな証拠となるわけではありません。ここでは、逆さバイバイと自閉症との関連について詳しく解説します。

自閉症の初期兆候としての逆さバイバイ

自閉症スペクトラム障害は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。

自閉症スペクトラム障害には多様なサインがありますが、小さな子どもが示す逆さバイバイはその中の一つと見られることがあります。この現象は、「子どもが他人の視点を理解し、それに基づいて行動する能力」が未発達であることを示している可能性があります。

言い換えれば、自分がどのように見えているかを想像することが難しいのです。逆さバイバイをする子供たちは、手のひらを自分に向けがちで、これは視点の理解がまだ発達していないことを示しています。

逆さバイバイしても自閉症とは限らない

重要なのは、逆さバイバイが必ずしも自閉症のサインではないということです。多くの健常な幼児も発達の一環としてこの行動を示します。子どもの認知や運動スキルが成長に伴って発展するにつれて、この行動は自然と改善されることが一般的です。もし子どもが他のことで月齢の成長基準をクリアしているなら、逆さバイバイについて特別に心配する必要はありません。

ただし、逆さバイバイが3歳を過ぎても続いている場合や、他にもコミュニケーションや対人関係において困難を伴う場合は、専門家による診断を受けることをおすすめします。早期発見により、必要な場合には早期療育につながります。

このように、逆さバイバイは自閉症の可能性を意味することがありますが、それだけで判断するのは避けるようにしましょう。それぞれの子どもの行動や発達を総合的にみることが重要です。親御さんや保育者は、子どもの発達パターンを注意深く観察し、必要に応じて専門家と相談することが望ましいでしょう。

健常児も逆さバイバイをする?

子供が逆さバイバイをする理由でもご紹介した通り、逆さバイバイ、つまり子供が手を振る際に手のひらを自分に向ける行為は、多くの健常な幼児にも見られる行動です。逆さバイバイは、特に問題があるわけではなく、多くの場合、子供の発達において自然に解消される行動の一部です。多くの健常児がこの行動を示し、ほとんどの場合、3歳頃には自他の視点を理解し始め、正しいバイバイができるようになります。

親ができる逆さバイバイへの対応方法

逆さバイバイは、幼児が一般的に見せる行動の一つで、特に健常児にもよく見られます。多くの場合、これは一時的なもので、子どもの発達に伴い自然と改善されます。しかし、この行動の意味、そして逆さバイバイに対応する方法を知っておくことは大切です。

逆さバイバイの直し方

逆さバイバイを直す方法を3つ紹介します。

【逆さバイバイの直し方】

モデルとなる手本を提供する

子供に正しいバイバイの方法を教えるには、親が率先して模範を示すことが効果的です。「ママはこうやってバイバイするよ」と言いながら、手のひらを外に向けてゆっくりと手を振ることで、子供は視覚的に正しい方法を学びます。

行動を肯定的に強化する

子供が正しく手を振れたときは、積極的に褒めてその行動を強化しましょう。「よくできたね!」と明るく声をかけることで、子供は正しいバイバイの方法が自身にとって楽しいものであると感じるようになります。

練習を楽しくする

遊びの中でバイバイの練習を取り入れることも一つの方法です。例えば、人形を使ったり、絵本のキャラクターに手を振るように促したりすることで、自然な形で練習を促すことができます。

不安に感じたら専門家へ相談を

3歳を過ぎても逆さバイバイが続いている場合や、他の発達の遅れが見られる場合には、専門家に相談することをおすすめします。小児科医や発達支援の専門家から適切なアドバイスがもらえるでしょう。

療育や早期介入プログラム(子どもの言語とコミュニケーション能力の発達支援をするための教育プログラム)を利用することも役立ちます。地域の支援センターや相談機関を通じて、利用可能な支援について情報を得ることができます。

お子さんのさかさバイバイで気になることがあったら専門家に相談してみましょう。

まとめ

この記事では、子供が逆さバイバイをする理由や自閉症との関連性について解説しました。逆さバイバイは、多くの子どもが一時的に示す行動であり、必ずしも心配する必要はありません。しかし、特定の年齢を過ぎても続く場合には、発達のサインとして注視することが重要です。しかし、それでも不安を感じたら、遠慮せずに専門家に相談することが大切です。

この記事が、お子さんの成長への理解を深め、健やかな成長のサポートに役立てることを願っています。

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