知育とは?幼児教育で重要な知育について解説!

No.32更新日付:2025年2月9日

子どもの将来のために役立つよう「幼少期から何か始めた方がよいのでは?」と考える親御さんは多いでしょう。幼少期の教育には「知育」というものがあります。知育は子どもの知的能力を育むために効果的な方法です。

本記事では、知育の効果や方法について詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 知育とはどんな教育?
  • 知育の方法
  • 知育のポイント

知育とは「三育」のうちの一つ

知育とは、知的能力を幼少期より育んでいく教育のことです。知育という言葉は、古くは明治時代に福沢諭吉の著書「学問のすゝめ」で「三育」が紹介されたことで、日本国内に広がったと言われています。

三育というのは、イギリスの学者ハーバート・スペンサーが著書「教育論」(1861年)で示した子どもに対する教育の考え方です。スペンサーは教育の基本となるのは、知育・体育・徳育の三育であると説いています。

近年では2000年に入ってから、OECDが4年に一度発表している生徒の学習度到達調査(PISA)で、幼児教育に力を入れている欧米諸国が上位にランクインしていることから、幼少期に行う「知育」の重要性が改めて注目されるようになりました。

※出典:OECD生徒の学習到達度調査(PISA)《2000年調査国際結果の要約》:文部科学省(2021年9月29日利用)

知育とはどんな教育?

ひたすら勉強を覚えさせる「量」を重視した従来の詰め込み型学習とは違い、知育教育では、子どもが自発的に物事を考えることを促す「質」を重視して教育が行われます。

具体的には、子どもが自ら考えることを楽しいと感じられるよう、おもちゃなどを使って遊びを通じた知育を行っていきます。成長が著しい幼児の脳にどんどん刺激を与えていくことで、創造力、推察力、判断力などさまざまな知的思考能力を養っていくことが可能です。

幼児教育で知育が重要な理由

知育は幼少期の早い段階から始めた方が高い効果が得られるでしょう。ここでは、幼児教育で知育が重要な理由について、詳しく解説します。

子供の将来の可能性が広がる

今多くの企業では、自主的にものごとを考え、適切な行動をとることができる「自立型人材」の育成や獲得に力を入れています。これは急速に変化する社会情勢の中で、今置かれている状況を見極め、臨機応変に動くことのできる人材が必要とされているからです。

知育では、自主的にものごとを考える力が育まれますので、大きくなって社会に出てからも、企業が求めるニーズの高い人材として、活躍の場が広がっていくことが期待できます。

脳が柔軟な幼児期の知育で能力アップが期待できる

脳の情報伝達に重要な役割を果たしているのが、ニューロンと呼ばれる神経細胞とシナプスです。ニューロンは脳の中で情報を受け取り、他の細胞や器官に情報を伝える役割を果たしています。シナプスはニューロン間をつなぐ情報伝達の橋渡し役をしています。

このシナプスを活性化させ数を増やすことによって、情報伝達できる量が増え、知的能力を上げることにつながります。シナプスを活性化させ数を増やすには、脳が最も柔軟で成長著しい幼児期に、知育によって脳に良質な刺激を与えると効果的です。

IQは幼児期に伸びやすい

IQとは、知能の水準や発達の度合いを数値化したものです。単純に学力や知識の量を指しているわけではなく、さまざまな状況や環境に臨機応変に対処するための知能を表したものを指します。

知育は学力や知識を身につけさせるものではなく、自ら考える力を育むものになるため、IQを伸ばすのには最適な方法です。成長著しい幼児の脳に、知育によって良質な刺激を与え続けることにより、IQの伸びが期待できます。

幼児期の知育はとても効果的なんだね!どんな知育方法があるのか、見てみよう♪

知育の代表的な方法

ここまで知育の内容や重要性について説明をしてきました。

次に、実際に知育に取り組んでいくための方法について紹介します。

知育玩具・教材を使う

知育を家庭で始める際は、知育玩具や教材を使う方法が最も手軽です。

知育玩具や教材選びで気をつけたいポイントとしては「対象年齢に合っているか」「伸ばしたい能力に合っているか」の2点が挙げられます。また楽しみながら学ばせるのが重要となるため、子どもの性格に合ったものを選ぶのも大切です。

例えば、ひとり遊びが好きな子にはパズルや積み木、活動的な子には体を使って遊べる玩具…というように、本人が興味を持ちながら率先して遊べる知育玩具や教材を与えることも大切です。

知育アプリ・ゲーム

最近では、乳幼児からでも遊べる知育アプリやゲームも無料で多く配信されています。こういった知育アプリやゲームの多くは、子どものみならず、大人も一緒に楽しめるものが多くラインナップされており、親子のコミュニケーションを図るのにも最適なツールです。

ただし長時間にわたって画面を見続けることにより、視力や筋力低下といった健康障害が生じる恐れがありますので、時間を決めるなどして適切に活用しましょう。

知育教室

家庭内で知育を行っていても、それが本当に子どもに合っているのかどうかは、素人ではなかなか判断がしづらいものです。このような場合には、知育のプロに頼るのも一つの手です。

多くの知育教室では、年齢別にカリキュラムが組まれており、子どもの成長や能力に応じて適切な知育を受けることができます。また先生や友だちとの触れ合いの中で、社交性も身につけることができるでしょう。

年齢別、知育の具体例

知育に行っていく際の大切なポイントとして、子どもの成長に合わせて適切な手段を選ぶことが挙げられます。

ここでは年齢別の知育の具体的な方法について解説します。

【0歳~1歳】聴覚や視覚を刺激する

0歳~1歳にかけては、音や映像といった聴覚や視覚に入ってくる情報に敏感に反応する時期です。色のはっきりとしたカラフルなおもちゃを見せてあげたり、たくさん話しかけてあげたりして、聴覚や視覚を刺激してあげましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは、視力が0.02程度といわれています。成長するにつれて視力は徐々に上がっていきますが、まだこの時期は視力が低いため、なるべく顔を近づけて表情を見せながら、話しかけてあげるとよいでしょう。

【2歳~3歳】手足や指先を使うもの

2歳~3際になると、自由に動きまわれるようになり、好奇心が旺盛になってくる時期です。この時期は、かたい・やわらかい・熱い・冷たいといったことを認識する触覚を通じて脳を刺激してあげるとよいでしょう。例えば、積み木やパズル、乗り物やおままごと用のおもちゃなどを使って一緒に遊びながら、積極的に手足や指先を使わせるのがおすすめです。

またスプーンを使って食事をしたり、自分で服を着替えさせたりすることも知育の一環になります。はじめは上手にできないかもしれませんが、全てやってあげるのではなく、できないところを上手にサポートして、子どもの「自分でやりたい」という気持ちを大切にしてあげましょう。

【4歳~6歳】数字や文字を使うもの

この時期になると言葉を理解できるようになり、数を数えられる子もいます。数字や文字を使った遊びを通じて、言葉や数字に対する理解を深めてあげましょう。

おすすめはしりとりです。しりとりはどこでも手軽にできる遊びでありながら、子どもが楽しんで語彙を増やすことができます。それだけでなく、しりとりのルールを理解しながら遊べば、脳にも良い刺激を与えることができます。

また普段の生活の中でも、人数分のお皿を並べる、均等におやつを配るといったお手伝いなどは、数の感覚を捉える良い練習になります。普段の遊びや生活に、数字や文字を積極的に取り入れて知育を行っていきましょう。

知育を行う際のポイント

効果的に知育を行っていくうえで、いくつか気を付けるべきこともあります。ここでは、三つのポイントについて、詳しくみていきましょう。

楽しんで取り組む

知育を行っていくうえで大切なのは「子どもが楽しみながら自主的に課題に取り組める環境を作ること」です。

例えば、子どもが興味・関心を示している知育玩具を使ってみたり、褒めながら一緒に遊んでみたりといった、子どものやる気を長続きさせる工夫が必要になります。いきなり難しい課題から始めるのではなく、簡単な課題から始めて達成感を得られるようにしてあげましょう。繰り返し達成感を得ることで、子どもは課題をクリアすることが「楽しい」と感じ、やる気も長続きするようになります。

親も一緒に取り組む

親子でコミュニケーションやスキンシップを取りながら、一緒に学びを深めるのも、知育ではとても大切なことです。子どもは親とのコミュニケーションやスキンシップを通じて、親からの愛情を感じ取り、自己肯定感を持つようになります。

自己肯定感の低い子は、周囲の目を気にし、失敗を恐れて物事に対して消極的になってしまいます。しかし、自己肯定感の高い子は、失敗を恐れず前向きに物事に取り組むことができ、周囲との関係も良好に築くことができるようになります。

子どもが頑張って挑戦した時は、たとえ成果が出なかったとしても、しっかり褒めてあげましょう。自己肯定感を高められるよう、コミュニケーションを図ることが大切です。

成長を急がない

子どもに知育を行っているときは、なかなか目に見える成長が見られず、焦ってしまうこともあるかもしれません。しかしなんとか子どもを成長させようとするあまり、子どもが望んでいないのに無理に遊びを強制したり、叱ったりするのは一番やってはいけないことです。子どもは強制されたり叱られたりすると、遊びに対しての興味を失ってしまい、考えることをやめてしまいます。

子どもには一人一人個性があり、物事を吸収するスピードも異なります。「うちの子はなぜ成長が遅いのだろう…」と落胆せずに、個性の一つと捉え、その子の成長のスピードに合わせて知育を行いましょう。

【まとめ】正しく知育を理解して子どもの可能性を広げよう

知育とは、遊びなど楽しく学べる機会を通じて、判断力や創造力、推察力といった知的能力を育むことを目的とした教育です。なお、知育は脳が成長過程である幼児期に始めた方が、知的能力が向上しやすいと考えられています。

知育のやり方はさまざまで、知育玩具や知育アプリ、知育教室を使う方法があります。子どもの年齢や発達状況に合った方法を選びましょう。

親子で楽しみながら知育を行い、ぜひ子どもの可能性を広げてあげてください。

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