育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について①

No.92更新日付:2024年10月7日

子育てをしていると、なかなか言うことを聞いてくれなかったり、思い通りにいかないことも多くて、ついイライラしてしまったり感情的になってしまったりするものです。「こんな子かわいくない」「こんな子いらない」などといった気持ちになってしまい、そんな自分にまたショックを受けてしまったり、という話も実はよく聞きます。

こちらの記事では、子育てを通じた感情のコントロールの方法について、短めのコラムで3回にわたって説明しています。まずこちらの記事を読了後、コラムNo.93「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について②」コラムNo.94「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について③」についてもよかったらご確認くださいね。

どんな親でも子どもに対してイライラしてしまうもの

よくベビーパークに通われているお母さまから「どうしても子どもが可愛いと思えないのです」という深刻なお悩みが届くことがあります。

子どもが素直で満面の笑顔の時にはどれだけ抱きしめても足りないくらいで、眠っている時の愛らしい顔は天使のようです。しかし反対に親の言うことをまったくきかないで困ったことばかりやらかす時など、「どうしてこの子はこうなの!」とイライラしてしょうがない時もありますよね。

そんな時には、親は精神的にも体力的にもホトホト疲れきってしまうものです。それは、どんな親でも当たり前に経験する感情なのです。

「イライラ」の感情の原因を見極めよう

ベビーパークに通われているお母さまの中には3歳ごろまで「イライラ」という感情を経験せずに済む方も多いのですが、それでもやがて4歳、5歳と年齢を重ねてくると、必ず「どうしてこの子はこうなの!」というイライラと出会うことになります。

それぞれの親子によってその比率・程度が違っているため、悩む必要もなければ、ましてや自分を責めたり落ち込んだりする必要はまったくありません。一度、親になったならば誰でもが通り過ぎる道の通過点なのです。

例えば子どもに対して何かいらだった時でも、そのいらだちの原因を見極め、どうしてそのような状態が生じたのかやどうすればその状態を改善できるのかを様々な角度から検討して、自分の心を穏やかに安定させることが適切な感情のコントロールです。大人は、高度に自分の感情をうまくコントロールする方法を一生かけて磨いていくものです。

子どもと過ごす時間には、自分自身の人格向上のためのエッセンスが無限に散りばめられていますので、それを夫婦で共有しつつお互いに人格向上を目指れば素敵ですね。

いっぽう子どもに対しては、自分の感情をコントロールする能力を身に付けさせてあげることが親の役割の一つに違いありません。この能力はいずれ、自分と常識や感覚・感性が大いに異なる相手を理解しようとする心情につながっていくことになります。

わが子にイライラする時の感情の制御方法

我が子に対してイライラする時の、具体的な心の制御方法は次の3つです。

  1. 「感情」とはホルモンの影響によって生じていると論理的に考える
  2. 相手を思い通りにしたい気持ちをいったん捨てる
  3. 自分の中の常識の枠を広げる

今回は、1の制御方法のポイントについてお話します。私たちがコントロールしたいと感じる感情は「怒り」「不安」「嫉妬」「悔しさ」「虚しさ」「強欲」などが代表的に挙げられます。

これらは言ってみれば、私たちの先祖が動物であった時代に自分の生命を維持するため、大脳古皮質や旧皮質、そしてDNAに刻みこまれた本能的な欲求です。

その欲求の中で、イライラを生じさせている感情の大半は「怒り」と「不安」です。
この時には脳からのノルアドレナリンや副腎からのアドレナリンが多く分泌されています。

これらはうまく活用すれば一時的に集中力を高め、闘志をわき起こし、困難を克服するための強力な努力のエネルギーとなります。アドレナリンが大量に分泌されると大怪我の痛みすら感じなくなることもあります。

しかし、興奮状態によって理性の働きがきかなくなったり、平常時の自分ならば考えもしないような攻撃的な心理状態になったりすることもあります。さらに、あまり長時間分泌が続くと、ノルアドレナリンの備蓄がなくなり体内での生産も追いつかなくなることで、意欲や気力が低下したり虚しさに襲われたりして何もかもが億劫になります。

妊娠中や産後はホルモンの影響で負の感情がでやすい

妊娠中や産後は特にホルモンバランスが崩れやすいですから、このような自分の負の感情についてはあまり気にしないことが大切です。ご主人やご家族にはそのことを正しく理解していただき、あと数ヶ月は感情起伏が鋭敏であることを許容してくれるようにお願いしておきましょう。

このように、「感情はホルモンと関連している」という考え方が自分の中に染みこんでくると、感情にまかせた行動を意識的に避けることができ、怒り以外の様々な負の感情も攻略できるようになったりと、次第に感情制御のレベルが上がっていきます。

「イライラ」の回数を少し減らせる2つのポイント

  • 「我が子にイライラしたり、かわいくない!と感じることは、親なら誰でも通る当たり前の道である」
  • 「感情とホルモンは密接に関係している。負の感情の大きな波のように訪れている時などは、物を考えることをやめて休憩する

ぜひお母さんの中にこの2つの意識を十分に根付かせてみてください。イライラする回数が減るはずです。

次回コラムNo.93「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について②」ではさらに次のステップに進み、制御方法のポイント2【相手を思い通りにしたい気持ちをいったん捨てる】と、ポイント3【自分の中の常識の枠を広げる】についてご紹介させていただきます。

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