2~3歳ごろの言葉の発達の目安
0歳では「あーあー」などの喃語、1歳では「ママ」「ブーブー」などの単語を話すのがメインですが、2歳になると「ママ だっこ」「これ ほしい」など、2つの単語を組み合わせた二語文を話し始めます。
さらに3歳になると、「あの おもちゃが ほしい」などの三語文を話すようになったり、「どうして?」「なんで?」といった疑問文や質問文を発したりするようになります。
語彙の目安は、以下の通りです。
24ヶ月(2歳) | 30ヶ月(2歳半) | 36ヶ月(3歳) | |
---|---|---|---|
語彙の目安 | 200~300語 | 400~500語 | 1,000語 |
言葉の特徴 | 二語文 | 二~三語文 | 三語文 疑問文 質問文 |
言葉が遅い・・・と思ったら、それって○○をしていないからかも。みんなは知ってる?
言葉が遅い原因を知る>>
もちろん、言葉の発達スピードには個人差があり、「2歳になったのになかなか二語文が出てこない」ということも十分あり得ます。ただ、乳幼児健康診断などでも用いられているデンバー式発達スクリーニング検査の結果をもとにした統計によると、1歳7か月では25%の子どもが、2歳4か月では90%の子どもが二語文を話し始めます。また、厚生労働省が公開している乳幼児身体発育調査の結果によると、1歳6~7か月の子の94.7%が単語を話しているようです。
以上のデータを考慮すると、2歳までに単語が出ない、あるいは3歳までに二語文を話さない場合は、何らかの原因で言葉が遅れている可能性があるので、原因を確認することが大切です。
[注1]名古屋市小児科医会:子どもたちの健康のために第3版
[注2]厚生労働省:乳幼児身体発育調査(平成22年)[pdf]
合わせて読みたい
言葉の発達が遅い・しゃべらない原因は?
2歳児が喋らない原因は複数あり、それぞれ対処法が異なります。我が子に言葉の遅れが見られる場合は、まずは言葉の発達が遅れている原因について考えてみましょう。
言葉の発達が遅くなる主な原因は以下の4つです。
それぞれの詳細について解説します。
性格や発達の度合い
同じ2歳児でも、性格や発達のスピードは人によって大きく異なります。
一般的に、大人しい子や内向的な子、おっとりしている子は、おしゃべりの頻度が少ないため、言葉の発達に遅れがあると見られるケースが多々あります。ただ、性格に起因している場合は、「話せない」のではなく「話さない」だけですので、言葉数が少なくても、言葉そのものが出ている場合は、あまり問題にしなくてもよいでしょう。
また、発達のスピードが緩やかな子も、周囲に比べると言語力や語彙力が劣ると思われがちですが、多少スタートダッシュが遅れていても、ある日突然、スイッチが入ったように話し始める子もいます。「2歳になったら二語文を話して当たり前!」と決めつけたりせず、「この子は発達スピードがゆっくりなのね」とおおらかに構えて、しばらく様子を見るのもひとつの方法です。
コミュニケーションの機会が少ない
2歳児はまだ文字を読むことができないので、耳で聞いた音と、目に見えているものを結びつけて言葉を理解します。
しかし、子どもが何かに興味・関心を持っていたとしても、それに反応したり、説明したりしてくれる人がまわりにいないと、いつまで経っても言葉を習得することができません。
2歳児はまだまだ言葉がつたなく、大人としっかり対話するのは難しいですが、だからといってコミュニケーションをおろそかにすると言葉の発達を妨げてしまう要因になるので注意が必要です。
聴覚に問題がある
前述の通り、子どもは耳で聞いて言葉を理解するので、肝心の聴覚に問題があると、言葉の発達が遅れる原因となります。
遺伝などの関係で生まれつき耳が聞こえにくい子もいれば、中耳炎を繰り返して中度の難聴になったり、単純に耳垢がつまって聞こえが悪くなっていたりする子もいます。前者の場合、出産から退院までの間に行われる新生児聴覚スクリーニングで発覚するケースが多いですが、後者の場合は後天的なものなので、中度や軽度の難聴は見過ごされる可能性もあります。
子どもの名前を後方から呼んでみて、何も反応がないor反応が鈍い場合は、かかりつけの小児科に相談するか、耳鼻科を受診してみましょう。
病院に連れて行ったら「様子を見ましょう」と言われたけど・・
そんな不安なときは、言葉の発達を促す○○を試してみて
先天的な病気がある
聴覚に問題があるケース以外にも、生まれつきの病気によって言葉の発達が遅れる場合があります。
具体的な例としては、舌や唇などの運動能力に問題があったり、見たり・聞いたりしたものに関して考える能力に障がいがあったりすると、言葉をうまく発することができない場合があります。
また、人への関心が薄く、興味を抱くものが限定されている自閉症スペクトラム障がい(広汎性発達障がい)や、物事に集中できない注意欠陥多動性障がいなどの疑いがある場合は、言葉の習得に欠かせないコミュニケーションや集中力に欠けるため、やはり言葉に遅れが見られがちです。
このような先天的な病気に関しては、言葉の遅れだけでなく、日常での行動にも気になる様子が散見されます。子どもの様子を観察して、言葉以外にも心配なところがあったら、家庭内で悩まずに乳幼児の段階で専門医に相談することをおすすめします。
合わせて読みたい
発達障がいかもしれない?と気になったら
言葉の発達の遅れのほかに、気になる様子・症状が見られる場合は、発達障がいの可能性もあります。発達障がいは大きく分けると「自閉症スペクトラム障がい(広汎性発達障がい)」「注意欠陥・多動性障がい」「学習障がい」の3つに分類されますが、このうち言葉に遅れが見られやすいのは前者2つです。
言葉の発達に影響する 主な発達障がい |
自閉症スペクトラム障がい (広汎性発達障がい) |
注意欠陥・多動性障がい (ADHD) |
---|---|---|
特徴 | 1歳を過ぎたあたりから 「目が合わない」 「人に関心を示さない」など |
ひとつのことに集中するのが苦手で、 落ち着きなく動き回るといった行動をとる |
自閉症スペクトラム障がいは、100人に1~2人くらいの割合で存在するといわれる発達障がいで、1歳を過ぎたあたりから「目が合わない」「人に関心を示さない」などの特徴が見られるようになります。コミュニケーション能力に障がいがあり、言葉の発達も遅れやすい傾向にあります。
一方の注意欠陥・多動性障がい(ADHD)は、ひとつのことに集中するのが苦手で、落ち着きなく動き回るといった行動が特徴的です。言葉の遅れと共に、ひとつの場所にじっとしていられない、衝動的に行動するといった様子が見られる場合は、ADHDの可能性があります。
ただ、上記で挙げた特徴はあくまで一例であり、たとえば「落ち着きがなく、言葉の遅れがあるからADHDかも…」と考えるのは早計です。そもそも、子どもが小さいうちに発達障がいかどうかを見極めるのは非常に難しいため、「もしかしたら…」と不安になったら、まずはかかりつけの小児科や子育てセンターなどに相談してみましょう。
知能テストや言語テスト・各種検査などを受けて発達障がいと診断された場合、児童発達支援センターや療育センター、児童発達支援事業所などの専門機関で療育を受けることになります。療育を受けるタイミングが早ければ早いほど、発達障がい特有の症状が緩和され言葉の発達の遅れも取り戻しやすくなりますので、子どもの言葉や様子で気になることがあったら早めに相談することをおすすめします。
2歳児や赤ちゃんの言葉の発育を促すには?
聴覚に問題がある場合や、先天的な病気がある場合は専門的な治療が必要ですが、性格や発達の度合い、コミュニケーション不足などが原因で言葉の発達が遅れているケースでは、日常生活での子どもとの関わり方を見直すだけで言葉の発育を促すことが可能です。
ここでは、なかなか喋らない2歳児の言葉の発育を促す方法を3つのポイントにわけてご紹介します。
合わせて読みたい
同年代の友達との交流の場を作る
2歳くらいになると、自分と同年代の子に興味・関心を持ち、積極的に関わろうとし始めます。2歳児同士のやり取りはまだまだつたなく、まともな会話にならないことも多いですが、相手ともっと遊びたい、関わりたいという思いから、自然と言葉を発する機会も増えてきます。
同じ年代の子どもは、大人のように先回りして行動しないため、「言葉にしないと伝わらない」という環境下に置くことで、言語能力が大幅にアップする効果も期待できるでしょう。
同じ年代の子と遊ぶことは、言葉の発達だけでなく、社会性を育む良い機会にもなりますので、同じくらいの年齢の子がいる公園や子育てセンター、児童館などに積極的に足を運んでみるとよいでしょう。
全国のベビーパークの教室では同年代の子どもやママやパパとの交流もできるよ。
いつもと違う体験をさせる
子どもは強く興味・関心を惹かれたものについて、すさまじい集中力や注意力を発揮します。いつもと違う公園に遊びに行ったり、アウトドア・レジャーを楽しんだりと、普段とは異なる場所・アクティビティを経験させれば、いろいろなことに興味を持ち始めます。
好奇心から来る刺激が言葉の発露につながることもありますし、子どもが関心を示したものについて親がフォローしたり、説明したりすれば、言語力や語彙力が高まるきっかけにもなるでしょう。
同じものを見ながら相づちを打って話す
子どもは目の前にあるものと、耳から聞こえてくる音をつなげて言葉として認識するので、子どもと同じものを見ながら話しかけると、言葉がスムーズにインプットされます。
たとえば、子どもが何かを見つけて指をさしたら、「ブーブーだね」「わんわんがいたね」と話しかけると、子どもは目の前のモノが「ブーブー(車)」や「わんわん(犬)」であることを理解できるようになります。
また、子どもが「ブーブー」「わんわん」などの言葉を発したら、「そうだね、ブーブーだね」と声をかけつつ、うんうんと相づちを打ってみましょう。子どもは自分が話したことについてパパ・ママが反応してくれたことに喜びを感じ、次からは積極的に言葉を発するようになります。
合わせて読みたい
言葉の発達には個人差があるので見守りつつ対応しよう
2歳児は一般的に二語文を話し始める時期とされていますが、言葉の発達は個人差が大きいので、2歳になっても二語文を話さない=言葉が遅れているとは一概に言い切れません。
その上で子どもの言葉の発育を促すには以下の3つが大切です。
- 同年代の友達との交流の場を作る
- いつもと違う体験をさせる
- 同じものを見ながら相づちを打って話す
呼びかけに対してちゃんと反応したり、こちらの言っていることを理解して行動したりするのなら、おおらかな気持ちでしばらく見守ってみましょう。性格やコミュニケーション不足による言葉の遅れなら、日常生活での接し方を見直すことで、言葉の発育を促せる可能性があります。
ただ、言葉の遅れ以外に気になる症状や様子が見られる場合は、かかりつけの小児科や子育てセンターなどに相談し、アドバイスを仰ぐことも大切です。不安なことがあれば尻込みせず、専門医に聞いてみましょう。
#ベビーパーク #キッズアカデミー #TOEZアカデミー #幼児教室 #親子教室 #幼児教育 #知育 #知能教育 #英語育児 #2歳 #喋らない #発達 #促す #おすすめ