© 2023 TOEZ Inc. all rights Reserved.

何歳くらいからテレビを見せてもよいの? 映像メッセージの言葉の発達に与える影響について

No.96更新日付:2023年10月23日

テレビの子どもに与える影響については、諸説いろいろ語られています。その多くはあまり好ましくない影響について書かれているものかと思いますが、忙しい毎日のなかでつい子どもにTVやDVDを見せている間に家事を…、となりがちなものです。

こちらのコラムではTVやDVDの子どもに与える影響や、与えてもよい時期の基準について、明快にわかりやすく記載しています。何かと迷いがちなテーマですが、一度しっかり読んでみていただけますと幸いです。

「映像」の多すぎる情報に乳幼児の頭脳はまだついていけない

乳幼児の脳は凄まじいスピードで様々な情報を取りこんで、それらの意味を解釈しようとはたらいているため、目や耳から飛びこんできた情報のすべてを整理しようとします。

しかし、まだ物と言葉が結びついている量が極端に少ない状態だと、多すぎる情報は教育になるどころかむしろ頭脳を混乱させるばかりで、概念理解の発達を妨げてしまいかねません。すなわち、TVやDVDが乳幼児の言葉の発達を遅らせることになってしまいかねないのです。TVやDVDといった映像メディアの特性を考えることで、長所も短所も見えてきます。

「言語メッセージ」と「映像メッセージ」の違い

まず、映像メディアの発達以前に主流であったメディアが伝達するものは、音声や文字による「言語メッセージ」であったといえます。

言語メッセージでは基本的に一つの言葉は一つの概念の意味を持ちます。その意味が一つにせよ二つにせよ発信者は必ずその言葉に明快なメッセージを持たせようと、文章構成を工夫し誤解を招きそうな無駄な表現をそぎ落とすという作業に時間をかける努力をしています。

ですから言語によるメッセージは、そこそこ正確に情報を伝達することができます。

「映像メッセージ」は雑多で膨大な情報が盛り込まれている

それに対して、映像メディアが提供するものは「映像メッセージ」です。

大多数の映像メッセージには、雑多で膨大な情報が盛り込まれています。例えば講師がお伝えする映像メッセージには教室にあるカーテンや引き出しなどが映っていますが、お伝えしたいメッセージそのものにはまったく関係ありません。しかし、教室らしさを演出したり暖かな色合いという情報をお送りすることは、視聴者の皆様に全国の仲間と一緒に育児について学んでいこうという意識を呼び起こす効果があります。

この特性を長所として考えますと、受信者が多様な解釈を楽しんだり、あるいは独自に問題を発見したり意味を再構成してみる自由さも生まれます。それは一方的で受動的なものではなく、むしろ能動的であるとさえ言えます。これを教育に適切に用いれば学習の強い動機づけにすることが可能です。そして映像を使えば、質は少々落ちても同じ動機づけを大人数に対して手軽に実施することができます。

映像メディアの落とし穴

実は映像メディアは、受信者が発信者の隠された意図に誘導されてしまいかねない危険性も孕んでいます。一部の映像だけを見て、それを全体のことだと思いこんでしまいがちなことも映像メディアの特質です。

例えば東日本大震災以前には、海外で津波や地震、火災などの大規模な被災があった時に、その映像がテレビのニュースで頻繁に流されることがあったと思います。それを見ていた子ども達が突然泣いたり、吐いたり、睡眠障害に陥ったりという心理的問題が現れたという報告が多く集まりました。

現在、テレビ局では被災映像を流す前に字幕で注意喚起するといった配慮がおこなわれるようになりましたが、人生経験の少ない幼い子どもほどTVなど映像から得た情報が、世界のすべてであるかのように思いこんでしまいがちなものです。この事からも、幼児期に与える映像メディアについては、慎重に内容を吟味して与える必要があるとわかります。

乳幼児の教育に必要な映像教材の条件

3歳未満の脳は与えられた膨大な情報をすべて分類・整理しようとするため下手な映像情報は混乱を招き、子どもの概念発達の邪魔をするばかりになります。大人の脳は映像の中に自分の見たいものや聞きたいものを選ぶことができ、それに集中すると他の情報を意識の外においやるという能力が育っています。

乳幼児には音声と映像が結びつきやすいシンプルな映像教材がよい

そう考えると、乳幼児の教育に必要な映像教材の条件とは「音声と映像が結びつきやすいシンプルなもの」ということがわかります。そのため最初のうちは、フラッシュカードのように「結びつけたい情報が1対1で対応しているもの」がよいのです。

例えば、白い画面の中にリンゴが一つだけ描かれています。大人はリンゴがバスケットに入ってテーブルの上に置かれている絵だったらより一層素敵だと感じるでしょうが、子どもにとっては違います。リンゴそのものと「リンゴという音声情報」が確実に結びつき、簡単には忘れないレベルまで定着するまでは他の視覚情報は不要な情報として処理されます。

子どもは「リンゴ」の理解ができると、今度はリンゴとともに頻繁に登場する情報を新しい概念として意味づけしていきます。リンゴとミカンとバナナを十分に理解した子どもに対して、それらを一緒に登場させ「果物」という音声情報を与えれば、子どもは分類上リンゴよりも上位概念である「果物」の意味を認識し始めます。

幼い子どもが求めているのは「なんとなくわかったような気がする曖昧なもの」ではなく、理解しやすい端的な知識・情報や、あるいはどのようにすれば自分の内面の思いを相手に伝えることができるのかという具体的な方法です。

初めて子どもにTVやDVDを与える時の目安

子どもの言葉がある程度発達していることが不可欠です。その目安としては3つあります。

  • 大人の声がけに対して適切な行動でこたえられること。
  • 絵や実物を見て名前を言えるものが10個以上あること。
  • できれば2語文が出ていること。(ママ、いた。ママ、ねんね。など)

これらができるようであれば、実際の月齢に関わらずTVやDVDなどの映像メディアを少しずつ与えても大丈夫な時期がきたといえるでしょう。まだ「画面に登場する情報ができるだけ少なく、情報同士を関連づけやすい映像であること」が大切です。

お母さんがTVやDVDの情報をチェックしてみよう

子どもが寝ている時などに、幼児向け教育番組やお手元にある幼児向けのDVDをご覧になって、映像内の情報をチェックする観点の練習をしてみてください。

  • 画面の中に伝えたいことと関係ないものが複数映像に映っていないか。
  • 言葉がわからなくても、音声が映像の中のどれを示しているのかを簡単に結び付けられる構成になっているか。同時に流れる音と映像が一致しているか。

紙しばいのように絵と絵の間がどのようにつながっていたのかを子ども自身がイメージできるようなものが望ましいです。

お母さんの映像メディア吟味力がアップすれば、どのような番組ならば今のわが子に与えてよいのか今後も自身で判断していけるようになります。育児を楽しむと同時に、お母さんの感性に磨きをかけていくことも楽しんでしまいましょうね。

1歳~3歳の育児」の新着記事

https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/78e72d1c1cb64888bc35640a04c703d0/img01%20(17).jpg
1歳~3歳の育児

幼児への「生死」の伝えかた~私たちは命を頂いて生きていることを教えてあげましょう~

飼っているペットや身内の方が亡くなった時、両親はしばしば子どもに「死」の意味をどのように伝えるべきか迷う経験をすると思います。一般的に子どもが「生死」について理解できるようになるのは、7歳ごろになってからといわれます。幼児期の「死」とは動かなくなること、いなくなること、どこかに行ってしまうこと、といった単純な理解から、徐々に子どもは生死に対する理解を深めていきます。このように子どもの「生死」へのアプローチは時期によって異なりますが、こちらのコラムでは特に1~3歳の乳幼児期の子どもたちに、初めて「生と死」を伝えるための適切なタイミングや機会について説明していきます。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/48782f2a5795428195908f05b36ede8c/img01.jpg
1歳~3歳の育児

「夜驚症(やきょうしょう)」って何?~夜泣きとの違いや原因、対処法について解説~

子育てをしていると、「夜驚症(やきょうしょう)」という言葉を耳にすることがあると思います。主に2歳~6歳くらいまでの子に見られる睡眠中に起きる障害で、「夜泣き」とあわせて子どもの突然の夜中の発症に悩まされているお母さんも多いと思います。こちらのコラムでは、「夜驚症(やきょうしょう)」が起こる原因とその対処法、よく似た症状である「夜泣き」との違いも含めて説明していきます。よかったら参考にしてみくださいね。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/12e4e20f61ce4516b8f6bc8d82e0c770/img01.jpg
1歳~3歳の育児

ひっかいたり、かみついたり…幼児期に攻撃的になってしまう子どもの特徴と対処法について

1~2歳の子どもを持つお母さんのなかには、わが子がお友達をひっかいたり、かみついたりと、攻撃的なふるまいをすることに困っている方も多いと思います。1~2歳の子どもは自我が芽生えていくいっぽうで、まだ自己表現の方法が拙く、思い通りに自分を表現できないイライラなどから攻撃的な行動に出る事があるようです。一般的には成長とともにそういった行動は減ってくるといわれています。そうはいっても、お友達をひっかいたり、かみついたりはなかなかそのまま容認はしづらいものですよね。こちらのコラムでは、幼児期の子どもが攻撃的になる理由やその対処法について詳しく解説していきます。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/663fb53272af43158ed66041afad1026/img01%20(3).jpg
1歳~3歳の育児

2歳児の「言葉の育て方」~発達段階別に実践的な方法を紹介~②

「言葉の遅れ」は、幼い子どもを持つ親ならば誰もが一度は耳にする話ですし、少なからず多くの親御さんが心配することだと思います。幼児教室ベビーパークに通っていただいているお母さまの多くの心配事でもある「言葉の発達」について、こちらのコラムでは2回にわたって、2歳児の子どもの言葉の発達段階チェックと、段階別の具体的な「言葉の育て方」について解説していきます。2回目の今回は、コラムNo.136「2歳児の「言葉の育て方」~発達段階別に実践的な方法を紹介~①」で解説した2歳児の標準的な言語発達段階において、各レベルに適した取り組みを紹介します。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/346437196ea64dee9428eb123317c9fe/img01%20(2).jpg
1歳~3歳の育児

2歳児の「言葉の育て方」~発達段階別に実践的な方法を紹介~①

「言葉の遅れ」は、幼い子どもを持つ親ならば誰もが一度は耳にする話ですし、少なからず多くの親御さんが心配することだと思います。幼児教室ベビーパークに通っていただいているお母さまの多くの心配事でもある「言葉の発達」について、こちらのコラムでは2回にわたって、2歳児の子どもの言葉の発達段階チェックと、段階別の具体的な「言葉の育て方」について解説していきます。2歳前後のお子さまのいらっしゃる方はぜひ一度読んでみてくださいね。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/7cf925cff1734e0dace52ad5a8899dd2/img01.jpg
1歳~3歳の育児

「イヤイヤ期」の子どもへの効果的な対応方法まとめ~ケース別に具体的にご紹介!

早い子どもでは1歳後半から始まり、2歳をピークに、子どもによっては3~4歳まで続く「イヤイヤ期」。子育てをするお母さんなら、誰もが一度は通る道だと思います。時に何をしてもひたすら「いやー!」と泣き叫ばれて、すっかりヘトヘトに…、ということもあると思います。こんな時に頭ごなしに子どもを叱っても効果がないことは皆さまご存じの通りです。コラムNo.64「【第1次反抗期】(イヤイヤ期)への対処方法」では、イヤイヤが何故起きるのかと、イヤイヤの6つのパターンについて解説いたしましたが、こちらのコラムでは、実際に子どもが「イヤイヤ!」になってしまった時の具体的な対処についてわかりやすくまとめています。少しでも苦労なさっているお母さんの助けになってもらえれば幸いです。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/b620efe5ff374a30860b9729213e99df/img01.jpg
1歳~3歳の育児

「魔の2歳児」いやいや期の具体的な克服方法について

「魔の2歳児」「いやいや期」と聞くと、これから子育てを始めるママは身構えてしまうかもしれません。多くの母親が悩まされる「いやいや期」ですが、子どもにとっては「自我の芽生え」であり、自分自身の「自我」を確立するために必要な時期でもあります。このコラムでは、「いやいや期」を落ち着いて乗り切るために、ケース別の対処法や、「いやいや期」をなるべく軽く乗り切るためのコツなどを掲載しています。子どもが「いやいや」になるのも理由があるものです。適切に原因と対処法を覚えておければ、大きな苦労なく乗り越えていけますよ。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/feefe5fc07484cdd9c6bf754c8ed1edb/img01.jpg
1歳~3歳の育児

脳の性差を理解して、子ども社会性の発達を促す方法について

子どもの成長を願うお母さんから、よく「社会性のある子どもになってほしい」というお話を聞きます。国際化の進む世界で、適切な人間関係や環境への適応をおこなえるようになるように子どもに願うのは当然のことですよね。コラムNo.67「子どもの社会性を育てるために幼児期にできること」では、「社会性」の定義や、乳幼児期に子どもの社会性を育てるための基本的な注意点についてご説明いたしました。また、コラムNo.73「子どもの社会性を育てるために家庭でできること」では、一歩進んで各家庭でできる具体的な取り組みについて解説いたしました。こちらのコラムでは、さらに子どもの性別で異なる社会性の発達にスポットライトを当てつつ、子どもの社会性の発達を促す方法についてご説明いたします。よかったら上述のコラムとあわせて読んでみてくださいね。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/2f42c6aa031841a4a966789e6b391195/img01.jpg
1歳~3歳の育児

幼児期における「白砂糖」摂取の弊害について

近年「白砂糖は健康によくない」という記事や評判をひんぱんに目にするようになったと感じます。健康に気を使っている方は、肥満防止のために白砂糖を控えめにしている人も多いと思います。では、特に幼児期の子どもが白砂糖を過剰に摂取するとどうなるのでしょうか? こちらの記事では、特に幼児期の子どもが早い段階から白砂糖を過剰に摂取してしまうことの弊害について、虫歯予防の観点や健康の観点から説明しています。
https://images.microcms-assets.io/assets/6c64954891644003a572887d8ebf23fb/4a3dcef278d24bb1896d7cd678e44e7d/img01%20(12).jpg
1歳~3歳の育児

子どもに伝わる話し方について~「子ども語」の翻訳者になろう~

街中で小さな子どもとお母さんの会話に耳を傾けていると、しばしばお母さんが子どもにしてほしいことを伝えたりするのに悪戦苦闘しているのが聞こえてきたりします。乳幼児や小さい子どもはまだまだ語彙数も少なく理解できる単語も少ないですから、なかなか伝わらないのは当然のこととわかっていても、実際はついイライラしてしまったりなんてこともよくあるかと思います。こちらのコラムでは、小さい子どもの心をつかむ話し方について、年齢に応じた具体例も含めて説明していきます。子どもに伝わる表現への置き換え=【子ども語訳】をマスターして、子育てに役立てていきましょう。

ベビーパークは
育児がもっと楽しくなる
親子教室です

「親⼦の絆」をテーマにした
お母さまのための教室

レッスン開始のお歌とごあいさつ。英語の歌を聞いてる!こうやって日常の中に英語を盛り込む事が大切なんですね!

叱らなくてもすむ育児

3歳までの子供を叱ることは百害あって一利ありません。ベビーパークで育った子供たちは叱らなくても良いのです。叱る必要がないのです。

3歳までの心や脳に
最適な育児法

3歳までの環境でお子様の土台ができあがります。言葉を話す能力も、自分の気持ちをコントロールする能力もこの期間にほとんど形成されます。

全国の教室を探す

ベビーパーク、キッズアカデミーは全国に

200教室

(2023年8月時点)

都道府県で探す

北海道・東北エリア
関東エリア
中部エリア
近畿エリア
中国エリア
四国エリア
  • 徳島
  • 香川
  • 愛媛
  • 高知
九州・沖縄エリア

無料体験レッスン
受付中!

期間限定で0円(無料)にて
体験レッスンが受講できます

1

オンライン体験前説明会

約30分

0~3歳児教育の秘密や、レッスン内のアクティビティの意味について、お伝えいたします。事前に目的を知った上でアクティビティを⾏うと、その効果は素晴らしいものになります。

2

教室でのレッスン

約50分

実際に生徒さまが通われている本レッスンのクラスに参加いただき、約10分のマザーリングと約40分のレッスンをお楽しみいただきます。
マザーリングでは月齢毎の育児知識が学べます。フルレッスンでは、知能・身体・心の発達に働きかける様々なアクティビティを体験できます。

まずは体験してください。楽しい無料体験レッスン受付中♪ レッスン料最初の2ヵ月無料。入室金無料。無料体験レッスンを詳しく見る

※1 初めご入室頂く方。または退室から6ヵ月を経過して再入室される方が対象。4ヵ月目末まで通室いただく事が条件となります。
※2 体験終了当日に入室意思を頂戴した方が対象。

ベビーパーク
公式LINEアカウント

ベビーパーク
公式Instagram

公式YouTubeチャンネル

ベビーパークのYouTubeチャンネルでは、育児に関する情報や通われているお母さまのインタビューなどをアップしております。