イヤイヤ期の対応はどうすればいい?接し方や乗り越え方を紹介

No.48更新日付:2022年9月14日
2歳前後の子どもを持つパパ・ママの悩みの種になる「イヤイヤ期」。何をするにも「イヤ!」と言われると、どう対応すればいいのか悩んでしまうところです。
親も子どももストレスをためずに、イヤイヤ期を乗り切るためにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、2歳前後の子どもに訪れるイヤイヤ期の概要や原因、おすすめの対応とやってはいけない対応について解説します。
イヤイヤ期とは、何を言っても、何かするにも「イヤ!」と泣いたり、嫌がったりする時期のことです。
だいたい2歳前後の子どもに起こりやすいことから、イヤイヤ期真っ最中の子どもは「魔の2歳児」とも呼ばれており、幼児期の子育ての大きな壁のひとつに数えられています。
イヤイヤ期は大体1歳半頃からスタートし、2歳前後にピークを迎えた後、3~4歳頃には落ち着いてくるといわれていますが、毎日のように「イヤ!」と泣かれてしまうと、パパ・ママは心身ともに疲れてしまうでしょう。
実際、文部科学省が発表しているデータでも、「子どもが言うことを聞かない」ことを負担に思っている親が、2歳児では約22%、3歳児では約27%に達していることが報告されており、イヤイヤ期に悩まされている親が多い実状がうかがえます。[注1]
では、なぜ2歳前後の子どもは何をするにしても「イヤ!」と言うようになるのでしょうか。
[注1]文部科学省:子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集
日常生活の至るところで子どもが「イヤ」を主張する原因は、大きく分けて4つあります。
何でもパパ・ママにやってもらっていた0歳~1歳とは異なり、2歳になると歩く、走る、簡単な片付けや着替え、カトラリーを使った食事など、さまざまなことを自分で行えるようになります。
それまでできなかったことに挑戦すること、やり遂げることは、子どもにとって大きな喜びであり、強い好奇心を満たす絶好の機会でもあります。そのため、身の回りのことは何でも自分でしたがるようになりますが、いかんせん大人のようにスムーズにやり遂げることはできません。
パパ・ママは時間に追われる生活を送っているので、つい子どもに手を貸してしまいますが、子どもは全部自分でやりたい!と思っているので、手伝おうとするパパ・ママを「イヤ!」と拒絶するようになります。
自分であれこれやってみたいという気持ちが強くなる一方、2歳児はまだまだパパ・ママに甘えたい時期。しかし、2歳になると、ある程度自分の身の回りのことができるようになるため、乳児の頃に比べるとパパ・ママのお世話になる時間が減ってきます。
「甘えたい」「もっとかまってほしい」という気持ちをうまく伝えられればいいのですが、2歳児はまだまだ言葉もつたなく、自分の気持ちをうまく表現することができません。
その結果、わざと「イヤ!」といってパパやママを困らせ、自分に注意を引きつけようとする子もいます。
2歳児は1歳児に比べるとできること、やれることが一気に増えますが、挑戦してみた結果、うまくいかないことや失敗することもたくさんあります。
自分でやりたいと思ったことがなかなかうまくいかないと、子どもなりにストレスや不満を感じ、イライラから「イヤ!」と泣きわめくことも。かといって、大人が手伝おうとすると、「自分でやりたい」という気持ちから手出しを嫌がるので、パパ・ママも困り果ててしまいます。
眠気や疲労を感じると誰しも不機嫌になりますが、2歳児は自分が眠いこと、疲れていることを自覚しにくく、うまく言葉に表現できません。
なぜか体がおかしいけれど、どう対処したらいいのかわからないため、モヤモヤやイライラが募り、何か言われたことに対して反射的に「イヤ!」と繰り返すようになります。
眠気や疲労で正常な判断ができなくなっているため、疲れて眠ってしまうまで、「イヤ!」と泣き叫んで暴れる子もいます。
親にとっては悩みの種であるイヤイヤ期ですが、子どもが「イヤ!」と自己主張し始めるのは、精神面での成長・発達を意味しています。この時期を乗り越えることで、子どもは自立性を育んだり、自己主張の方法を学んだりしますので、ストレスをためずにうまく対応したいところです。
では、具体的にイヤイヤ期の子どもにはどう接したらいいのでしょうか。具体的な対応方法を4つのポイントにわけて説明します。
子どもは意味もなく「イヤ!」と叫んでいるわけではなく、そこには子どもなりの理由があります。
パパ・ママにとっては理不尽な理由であったとしても、まずは「イヤなんだね」と子どもの気持ちに共感し、寄り添ってあげましょう。その上で、パパ・ママは何がイヤだったのか、本当はどうしたいのか、子どもの気持ちを聞いてみると少しずつ話してくれるかもしれません。
まだ話せるのは単語や二語文なので、自分の気持ちをうまく表現するのは難しいですが、先回りしてあれこれ尋ねると「イヤ!」が始まって再び興奮してしまうので、根気よく子どもの言葉を待つのがポイントです。
2歳児ができることはまだまだ少ないので、大人が手伝った方が何でもスムーズに行くのは当たり前のことです。
しかし、「パパorママがやった方が早いから!」と先回りして行動してしまい、子どもの「自分でやりたい」という気持ちを否定してしまうと、自立心を養う機会が失われてしまいます。
時間に制約があったり、子どものできることに限界があったりすると、「全部自分でやりたい」という気持ちを叶えてあげることは難しいですが、そういうときは途中まで手伝って、最後の仕上げを子どもに任せてあげると、「できた」「やれた」という満足感や達成感を得ることができます。
何かに熱中している子どもの行動を切り替えるのは簡単なことではなく、何を提案しても「イヤ!」と拒絶されてしまうことがあります。そんなときは、いきなり行動を切り替えるのではなく、ワンクッション置くことを心がけましょう。
例えば、お絵かきや絵本に夢中になっている子どもに、お片付けと食事をしてもらいたいときは、いきなり途中でお絵かきを中断させるのではなく、「それが終わったらお片付けしてご飯にしようね」と声かけします。
今やっている楽しいことをいきなり奪われるのではなく、一区切りするまで待ってもらえるので、子どもの抵抗感や反発心も少なく、素直に行動してもらいやすくなるでしょう。
時間や量に関する制限を設けたいときは、「あと少し」「もうちょっと」といったあいまいな表現ではなく、目で見てわかるようなルールを決めておくのがポイントです。
例えば、時計を指さしながら「あの長い針が6のところに来たら帰るよ」と言ったり、指を1本立てながら「お菓子はあと1つだけね」と伝えたりすると、子どももどのように行動すればいいのか理解しやすくなります。
イヤイヤ期真っ最中の子どもへの対応は骨が折れるため、時にはうまく対応できないこともあります。
決して完璧を求める必要はありませんが、以下のような対応は子どもの成長を妨げる要因になってしまいますので、避けた方がいいでしょう。
親の言うことを「イヤ!」と否定する子どもに対し、「そんなわがまま言ってはダメ!」と押さえつけてしまうと、自己主張の妨げになってしまいます。
同様に、うまくできない子どもに対して「そんなやり方じゃダメ」と頭から否定するのもNG。「ダメ」「いけない」を乱用すると、子どもは自分の気持ちを口にしたり、自分でやろうとしたりする意欲を失ってしまいます。
やり方が間違っているときや、危険なことをやろうとしているときは、「ママみたいにやってごらん」とお手本を見せたり、「それをやったら◯◯くん(ちゃん)がケガするよ。ママ悲しいな」と説明したり、といった対処をするのがポイントです。
「お菓子を買ってあげるから、もう帰ろう」などという交換条件を提示するのもおすすめできません。
子どもの気持ちが萎縮し、言いたいこと、やりたいことを必要以上に我慢してしまう原因になるほか、集団生活を送り始めたときに、お友達に対して「そのおもちゃを貸してくれないならもう遊ばない」など言い始める可能性があります。
イヤイヤ期の子どもと接する際は、ある程度子どもの自主性に任せる必要がありますが、サポートやアドバイスが必要なシーンで「そのやり方じゃだめって言ったでしょ!」「どうして教えたことができないの!」などと感情的に叱ってしまうのは禁物です。
魔の2歳児の「イヤイヤ」にどうしてもイライラしてしまうときは、以下の方法で対処しましょう。
時間が差し迫っていると、子どものやることをじっくり見守る余裕がなくなり、「早くして!」とついイライラしてしまいがちです。スケジュールに余裕を持つことが大切です。
早口にまくしたてるように話すと、親もつい興奮してしまい、心の落ち着きを失ってしまいます。子どもに対して話すときは、一度深呼吸をし、いつも以上にゆっくり話すことを心がけましょう。
何でも自分でやりたがり、手伝おうとすると「イヤ!」と言われてしまう時は、無理に干渉しないのもひとつの方法です。
「イヤ!」といってかんしゃくを起こしている子どものそばにいると、心身ともに疲れ切り、イライラもピークに達してしまいます。
一定の距離をとることも大切です。
イヤイヤ期は子どもの成長に必要なプロセスですが、毎日のように「イヤ!」と言われる生活を送っていると、パパ・ママもげんなりしてしまいます。
けれども、イヤイヤ期は永遠に続くわけではありません。一般的には3~4歳を迎える頃に落ち着いてきます。もちろん個人差はありますが、いつか終わるときは必ず来ますので、今回ご紹介した方法を参考に、無理をしない範囲でうまく対応していきましょう。
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カテゴリ>1歳~3歳の育児