はじめての離乳食。いつ、どうやって進める?メニューや作り方、注意点を紹介

No.120更新日付:2023年7月18日
赤ちゃんが生後5、6ヵ月になると気になるのが離乳食です。離乳食は赤ちゃんが母乳やミルク以外の食べ物から栄養を摂るための大切なステップです。
とはいえ、はじめての離乳食は進め方やメニュー、食材など分からないことばかり。そんなママのために、本記事では離乳食を始める時期や作り方など基本情報を分かりやすく解説します。
注意点も記載しているので、はじめて離乳食をあげるママはぜひ参考にしてください。
赤ちゃんは母乳やミルクから栄養を摂って成長します。しかし体が大きくなるにつれ活動量も増え、母乳やミルクだけでは栄養やエネルギーが不足し、食べ物から栄養などを摂ることが必要になってきます。
つまり赤ちゃんにとって離乳食とは、“食事ができるようになるための練習”なのです。
不足する栄養分を補う他にも、離乳食には次のような役割があります。
「いつから始めたらいいの?」「うちの子にはまだ早いような気がする」など多くのママ達が離乳食を始めるタイミングについて悩むようです。
離乳食の開始時期は一般的に生後5~6ヵ月とされています。理由は、この月齢になると赤ちゃんの消化器官が発達して、食べ物を食べる準備が整ってくるからです。
見極めポイントは赤ちゃんが離乳食を始める準備ができているかどうかです。判断要素として以下の3つのポイントをクリアできていたらOKだと考えてください。
なお、首がすわらない、お座りができないという状態では食べ物をしっかりと飲み込むことができず危険です。この場合は時期を改める必要があります。
参考:厚生労働省 離乳編
離乳食を開始しようとした時、具体的な進め方や内容、メニューなど分からないと不安になりますね。食材の知識も必要になってくるのでママは負担に感じるかもしれません。でも、次の4つのポイントを押さえることで離乳食の全体像がつかむことができ、進めやすくなります。
離乳食を与える回数は月齢によって下記の4段階に分けられます。
これらのスケジュールはあくまで目安です。先述にもありますが、離乳食はあくまで「食事の練習」なので赤ちゃんの様子に合わせて焦らず進めることが大切です。
次に離乳食初期の進め方と内容、メニューを具体的に見ていきます。
離乳食初期に与える内容は主に3種類です。
これらの食材を、赤ちゃんの体調に合わせて約5週間かけて進めます。
10倍粥を裏ごししてすりつぶし、とろりとペースト状にしたものをスプーンで1さじ与えます。赤ちゃんが食べられそうなら2日ごとに1さじ増やしていきます。
10倍粥の他に野菜を1種類プラスします。柔らかく茹でてすりつぶし、ペースト状にしたものをスプーンで1さじ与えます。
10倍粥を5~6さじ、野菜を2さじほど食べられるようになったら、魚か豆腐を1さじプラスします。調理方法は野菜と同じです。
炭水化物・野菜・タンパク質の3種類を食べられるようになったら、1日2回食へステップアップします。離乳食開始から約1ヵ月。この頃から食べしぶり、遊びなどが始まるのも特徴です。
生後5、6ヵ月の赤ちゃんに与えられる食材は何があるのでしょうか。おすすめの食材を知っておくとママも安心して離乳食づくりが進められます。
10倍粥、うどん、食パン
じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、にんじん、大根、玉ねぎ、ほうれん草、小松菜、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、りんご、バナナ、もも、いちご、メロン、スイカなど
しらす、かれい、たい、ひらめ、豆腐
味付けは昆布だし、野菜だしの風味を生かして薄味に。調理のポイントは米粉などでとろみを付けること。そうすることで飲み込みやすくなります。
離乳食初期の食材は基本的にペースト状にして与えます。手作業だと時間がかかって大変ですが、ハンドブレンダーを使うと簡単にできるのでおすすめです。また、この時期は食べる量も少ないので、多めに作ってフリージングしておくとママの負担が減ります。
はじめて離乳食を与える時はママも赤ちゃんも緊張するものです。食べさせ方のポイントを知ってママが上手にサポートしてあげましょう。
離乳食を飲み込むことができたら、ママは笑顔で「じょうずにごっくんできたね」「おいしいね」などたっぷり褒めるのがポイントです。赤ちゃんも食事の楽しさを感じることでしょう。
一般的に離乳食初期の量は小さじ1(5g程度)とされますが、いざ与えてみると赤ちゃんによって食べられる量が違うことに気がつきます。量にこだわり過ぎず『離乳食用のスプーンで1さじ』と捉えてもいいでしょう。
参考
母子栄養協会 離乳食1さじってどのくらい?
キユーピー 教えて!離乳食のコツ
中野区医師会 離乳食ブック
離乳食初期で気をつけたいポイントは5つあります。
はじめて離乳食を与える1ヵ月間はどんなトラブルが起こるか予想が難しく、特に注意が必要な時期です。事前の準備としてママは下記の内容を参考にしておくと安心です。
初めて与える食材はアレルギーの有無が分かりません。体調の異変に合わせてすぐ受診できるよう、病院の診察時間内(平日の午前中)に与えます。
離乳食をスタートする前にアレルギーを起こしやすい食材リストなどを手元に用意するといいでしょう。特に小麦、卵、乳製品などはアレルギー反応がでやすいため注意が必要です。
参考:消費者庁 アレルゲン含む食品に関する表示
はちみつは「乳児ボツリヌス症」につながる危険性があるため、1歳を過ぎるまで与えてはいけません。生ものは食中毒や下痢を引き起こす可能性があるので、魚や野菜は火を通して調理しましょう。加熱できない果物類はしっかり洗ってから与えます。のどに詰まりやすい食材も要注意。ぎんなん、豆類、こんにゃくゼリー、餅などは与えません。
参考:厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから
赤ちゃんは抵抗力が弱いので、調理の際は食材を洗う・加熱するといった基本的な対策を心がけましょう。食器や調理器具は洗剤でよく洗い、熱湯をかけて消毒をすると万全です。
赤ちゃんの消化機能は未熟なので、塩分や調味料を使った味付けはなるべく避けます。離乳食では素材本来の風味を大切に、赤ちゃんの味蕾(みらい。味覚を感じるセンサー)を十分に刺激することで、幼児期へ向けての健やかな食生活へとつながっていきます。
参考:2021年度全国栄養士大会 オンラインセミナーレポート
赤ちゃんの機嫌が良く、離乳食も順調に進んでいるように見えても体に負担がかかっている場合があります。そこで注目したいのがうんちです。
離乳食では食材がそのままうんちに混ざって出ることもあるので驚くかもしれませんがご安心を。消化機能も少しずつ練習しているのだと捉えてください。
ただ、「うんちの色が変」「下痢が続く」などいつもと違う状態が続いたら離乳食をストップして様子を見ます。改善されなければ排便後のオムツを持って病院へ行きましょう。
なお、離乳食を食べたあとは赤ちゃんがほしがるだけ母乳やミルクを与えてOK。なんといっても赤ちゃんの大好物ですから、ホッと気持ちが落ち着くはずです。
生後5~6ヵ月の赤ちゃんに必要な栄養分は母乳やミルクでも十分に補えるので、何かトラブルが起きて離乳食をストップしたとしても心配せずゆっくりと過ごすことが一番の改善策です。
「せっかく作ったのに食べてくれない」「離乳食や食器で遊んでしまう」これらは多くのママが体験する悩みです。よく挙げられる例と解決策をご紹介します。
このような場合は時間を空ける方法がおすすめです。1~2日お休みしてから再チャレンジするとパクパク食べてくれるケースも多いようです。
離乳食を嫌がる理由として「おなかがいっぱい」いうサインかもしれません。離乳食のタイミングを母乳やミルクの前に変えてみましょう。
離乳食を始めたら排便トラブルが起こるようになった。これもよく聞くケースです。特に下痢と便秘が多いようです。
目の前の離乳食やスプーン、エプロンなどに興味を持って遊び始める赤ちゃんもいます。ママはイラっとしますが、食事の楽しみを怒りで抑えつけてしまうのは避けたいところ。どのように対処をするといいのでしょうか?
中でも遊び食べはほとんどのママが経験するお悩みのひとつです。赤ちゃんだけでなく、就学前の幼児でも食事に集中するのは難しいものです。
どうしてもつらくなったら離乳食をお休みする、パパがいる時は交代してもらうなど、ママも気持ちをリセットしましょう。
赤ちゃんは離乳食の食べ方にも一人ひとり個性があります。そう考えると思うように進まなくても「わが子は慎重派なのかな?」「味覚が敏感なのね」などプラスの見方ができませんか?
食事の時間は誰もが楽しく感じるひと時です。離乳食の時間にたくさん声をかけてあげることで、数年後の食卓には笑顔と会話の花が咲くことでしょう。
そして、忘れてならないことがひとつ。離乳食は赤ちゃんの自立の第一歩です。かわいい食器やエプロンを用意してママも楽しく赤ちゃんをサポートできたらいいですね。
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